分身ロボットカフェが営業開始 障害者や難病患者が遠隔操作で接客 バイオジェンが特別協賛
公開日時 2021/06/23 04:50
分身ロボットの開発・提供を手がけるオリィ研究所が6月22日、難病や重度障害で外出困難な人が分身ロボットを操作して接客を行うカフェの営業を開始した。外出・移動が困難な人々が、分身ロボットを遠隔操作し、オーダーや配膳、お客様との会話など接客を行っている。製薬業界からは、バイオジェンが特別協賛社の1社となっており、就労を諦めていた人たちが社会で働ける方法をともに模索している。
(写真提供:オリィ研究所)
「分身ロボットカフェDAWN ver.β」常設実験店は、ダイナーやバー、カフェの3つのエリアから成り立ち、ハンバーガーやカレー、ドリンクなどメニューを楽しむことができる。このうちバーエリアでは、遠隔地からでもバリスタのような接客と手先を使った作業を可能にする「テレバリスタ OriHime×NEXTAGE」が稼働。パイロットが、分身ロボット「OriHime」を通して客とコミュニケーションをとり、その日の気分や天候なども考慮して、コーヒー豆を選ぶと、「NEXTAGE」が実際にコーヒーを淹れるなどの手作業を行ってくれるという流れで接客を可能にした。
カフェはバリアフリー対応となっており、車いすも入場可能で、人工呼吸器などの医療機器や電動車いすの充電用に電源の貸し出しも行っている。また、ミキサーやチョッパー、シリコンスプーンなどの調理器具も貸し出しているほか、とろみ調整剤も提供しており、嚥下障害などで食事支援が必要な人にも対応している。
特別協賛社のバイオジェン・ジャパンのアジェイ スレイク代表取締役社長は、「『神経科学の不可能を、可能に。』をビジョンに掲げる弊社としては、一人でも多くの外出困難な方々に、分身ロボットによる就労を経験していただいて、新たなチャレンジにつながることを応 援したい」とコメントしている。
オリイ研究所によるとカフェは、2018年から現在までに、4回の短期の開催実績があり、延べ5,000人が来場。取り組みの中でトレーニングを積んだパイロットが企業就労を打診される事例が多く生まれ、10人のパイロットが実際の就労につながったという。
常設店の場所は、東京都中央区日本橋本町3丁目8-3 日本橋ライフサイエンスビルディング3の1F。営業時間は、午前10時から午後7時まで。(ダイナ―、バーエリアは12時から営業開始)