中医協総会 テセントリク、ビンダケルなど5成分 市場拡大再算定適用で薬価引下げへ
公開日時 2021/05/13 04:50
中医協総会は5月12日、抗がん剤の「テセントリク点滴静注(中外製薬)1200mg」とトランスサイレチン型心アミロイドーシス治療薬の「ビンダケルカプセル20mg(ファイザー)」など5成分9品目について市場拡大再算定を適用し、薬価を引き下げることを了承した。適用日は8月1日。
市場拡大再算定は、効能変化などが承認された既収載品とび2年度目以降の予想販売額が350億円を超える医薬品について、一定規模以上の市場拡大のあった場合、薬価を見直すもの。12月診療分のNDBデータに基づいて検討したところ、テセントリク点滴静注とビンダケルカプセルが、年間販売額350億円超かつ、基準年間販売額の2倍超という要件に該当すると判断された。
テセントリク静注の類似品として、小野薬品のオプジーボ点滴静(20mg、100mg、120mg、240mg)、MSDのキイトルーダ点滴静注100mg、アストラゼネカのイミフィンジ点滴静注(120mg、500mg)も薬価を引き下げる。メルクバイオファーマのバベンチオ点滴静注(アベルマブ(遺伝子組み換え))は同様に免疫チェックポイント阻害薬だが、テセントリクと重複する適応がないことから、市場における競合性が乏しいとして類似品に該当しないと判断され、引下げの対象とはならなかった。
テセントリクの類似品とされた製品の製造販売元である小野薬品、MSD、アストラゼネカは、不服意見を申し立てた。複数の適応をのうち、重複しているのは一部の適応であることなどを訴えた。また、MSDはキイトルーダがすでに市場拡大再算定の特例を受けており、同じクラスの製品よりも1日薬価が低くなっている状況などを訴えたという。ただ、薬価算定組織は、「薬価算定の基準に照らし合わせ、当初案通りとした」としている。
新薬価は以下の通り(適用日は8月1日、カッコ内は現行薬価)
・ビンダケルカプセル (タファミジスメグルミン、ファイザー)
20mg1 カプセル 38,866.00 円(43,672.80 円)
・テセントリク点滴静注 (アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬)
1200mg20mL1 瓶 56万3917 円(63万7152 円)
・オプジーボ点滴静注(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品)
20mg2mL1 瓶:3万1918 円(3万6063円)
100mg10mL1 瓶:15万5072 円(17万5211円)
120mg12mL1 瓶:18万5482円(20万9570 円)
240mg24mL1 瓶:36万6405 円(41万3990円)
・キイトルーダ点滴静注(ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、MSD)
100mg4mL1 瓶 21万4498 円(24万2355 円)
・イミフィンジ点滴静注(デュルバルマブ(遺伝子組換え)、アストラゼネカ)
120mg2.4mL1 瓶:10万1807 円(11万5029円)
500mg10mL1 瓶:41万3539 円(46万7245円)