中医協総会 6歳未満の乳幼児外来 初再診で「医科」100点算定可能に コロナ感染対策
公開日時 2020/12/15 04:52
中医協は12月14日、持ち回りで総会を開催し、新型コロナ等の感染対策を講じた上で6歳未満の乳幼児に外来診療を行った場合、初再診に関わらず「医科」の診療報酬で100点を特例的に算定できる改定案を診療・支払各側が了承した。同様に「歯科」は55点、「調剤」は12点に相当する点数を特例的に算定できる。このほか新型コロナ感染症からの回復患者の転院を支援するため、入院医療を引き続き行った場合は、診療報酬上の評価を3倍に引き上げることも決めた。
新型コロナの感染拡大に伴う医療機関経営への影響では、4月の非常事態宣言発令以降、とくに小児科を標榜する医療機関の減収が目立ち、日本医師会など医療団体から必要な手当てを求める声が強まっていた。一方、自民党の下村博政調会長も、党がまとめた追加経済対策の中に「特に減収の大きい小児科に対して、臨時の診療報酬引き上げでの対応を検討すること」を明記し、第3次補正予算の編成作業を指揮している菅首相に直接要望していた。
◎「歯科」55点、「調剤」12点に相当する点数を算定
この日の中医協では、厚労省保険局医療課から新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療に係る特例的な対応(案)が示された。具体的には、小児は成人に比べて親や医療従事者との濃厚接触機会が多く、感染予防策の徹底が重要となる。加えて、乳幼児の場合、訴えの聴取が困難であるなど、「全ての診療等において、新型コロナウイルス感染症を念頭においた対策が必要となる」とし、必要な措置を診療報酬上で評価し、賄うことが提案された。
特例的な対応は、より配慮が求められる6歳未満の乳幼児への外来診療等について、小児特有の感染予防策を講じた上で、患者ごと「医科」は100点、「歯科」は55点、「調剤」は12点に相当する点数を算定できる。なお、6歳未満の乳幼児への外来診療であれば小児科以外の全ての診療科で算定することができる。
◎新型コロナ感染回復後の転院支援 受入れ先入院医療機関の診療報酬「3倍増」
一方、新型コロナウイルス感染症の回復後においても、感染対策を実施するための体制整備が必要との観点から、回復患者の転院支援を診療報酬上で評価することも決めた。回復後も引き続き入院管理が必要な患者を受け入れた医療機関において、必要な感染予防策を講じた上で入院診療を行った場合の評価を「3倍」に引き上げるというもの。これまでの臨時特例では、二類感染症患者入院診療加算(1倍)250点が適応されたが、今回の見直しにより二類感染症患者入院診療加算は3倍の750点となる。