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医療用薬8製品 効能追加など承認取得 エンハーツに胃がん、テセントリクに肝細胞がん追加

公開日時 2020/09/28 04:50
医療用医薬品8製品が9月25日、効能追加などの承認を取得した。この中に、抗HER2抗体薬物複合体・エンハーツ点滴静注用(一般名:トラスツズマブデルクステカン(遺伝子組換え)、第一三共)に胃がんの効能を追加することや、がん免疫療法薬・テセントリク点滴静注(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬)に、がん免疫療法薬として初となる肝細胞がんの効能を追加することが含まれる。

承認された製品は以下の通り(カッコ内は一般名、製造販売元)

エンハーツ点滴静注用100mg(トラスツズマブ デルクステカン(遺伝子組換え)、第一三共):「がん化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃がん」を効能・効果とする新効能・新用量・その他の医薬品。再審査期間は残余(2028年3月24日まで)。

抗HER2抗体薬物複合体。トラスツズマブを含む2つ以上の化学療法後に増悪したHER2陽性の治癒切除不能な進行・再発胃がん患者(サードライン以降のHER2陽性胃がん患者)の効能が追加された。先駆け審査指定品目。

テセントリク点滴静注1200mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2026年1月18日まで)。

抗PD-L1ヒト化モノクローナル抗体(免疫療法薬)。切除不能な進行・再発の肝細胞がんの効能が追加された。免疫療法薬として肝細胞がんの適応を持つのは初めて。抗VEGF抗体・アバスチン(ベバシズマブ(遺伝子組換え))と併用して用いる。

アバスチン点滴静注用100mg/4mL、同点滴静注用400mg/16mL(ベバシズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「切除不能な肝細胞がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。

抗VEGFヒト化モノクローナル抗体。今回、切除不能な進行・再発の肝細胞がんの効能が追加された。抗PD-L1抗体・テセントリク(アテゾリズマブ(遺伝子組換え))と併用して用いる。

ヤーボイ点滴静注液50mg(イピリムマブ(遺伝子組換え)、ブリストル・マイヤーズスクイブ):「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2024年6月20日まで)。

ヒト型抗ヒトCTLA-4モノクローナル抗体(免疫療法薬)。MSI-Highを有する結腸・直腸がんの効能が追加された。同剤とは異なる機序の免疫療法薬で抗PD-1抗体のオプジーボと併用して用いる。

オプジーボ点滴静注20mg、同100mg、同240mg(ニボルマブ(遺伝子組換え)、小野薬品):全適応症で用法・用量を追加する新用量医薬品。再審査期間は残余(2021年10月16日まで)。

ヒト型抗ヒトPD-1モノクローナル抗体(免疫療法薬)。既承認のがん腫の全てについて、これまでの1回240mgを2週間間隔投与する用法・用量に、今回、1回480mgを4週間間隔投与できる用法・用量が追加された。また、既承認のMSI-Highを有する結腸・直腸がんの適応について今回、抗CTLA-4抗体のヤーボイとの併用療法が追加された。

トルツ皮下注80mgシリンジ、同皮下注80mgオートインジェクター(イキセキズマブ(遺伝子組換え)、日本イーライリリー):「既存治療で効果不十分なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は残余(2024年7月3日まで)。

ヒト化抗ヒトIL-17Aモノクローナル抗体製剤。炎症性サイトカインであるIL-17Aと結合し、IL-17AのIL-17受容体への結合を阻害することで、IL-17Aの生理活性を阻害する。今回追加されたX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎の主な臨床症状は、腰背部の疼痛、こわばり、腱付着部位炎、関節可動域の制限となる。

ツートラム錠50mg、同錠100mg、同錠150mg(トラマドール塩酸塩、日本臓器製薬):「非オピオイド鎮痛剤で治療困難な慢性疼痛」を効能・効果とする新剤形医薬品。再審査期間なし。未承認薬・適応外薬検討会議開発要請品目。

オピオイド作用及びモノアミン再取り込み阻害作用によって鎮痛効果を発揮する非麻薬性鎮痛薬。トラマドール塩酸塩を含有する既承認の製品は1日1回投与製剤や1日4回投与製剤だが、ツートラム錠はその名の通り、1日2回投与で用いる。

エネフリード輸液(―、大塚製薬工場):「経口摂取不十分で軽度の低蛋白血症又は低栄養状態にある場合や、手術前後の状態時のアミノ酸、電解質、カロリー、脂肪酸、水溶性ビタミン及び水分の補給」を効能・効果とする類似処方医療用配合剤。再審査期間なし。

既承認の糖、電解質、アミノ酸輸液製剤であるビーフリード輸液と、脂肪酸であるイントラリポス輸液20%の成分組成を基本とし、水溶性ビタミンも加えて一剤化した末梢静脈栄養療法(PPN)製剤。脂肪酸も1剤に含まれるのは初めてとなる。
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