ポピドンヨードでコロナウイルス陽性頻度低下 日医・中川会長が「エビデンス不足」を指摘
公開日時 2020/08/06 04:50
大阪府が新型コロナウイルス感染症の軽症患者がポピドンヨード(商品名:イソジン)によるうがいをしたことで陽性率が下がったと発表したことを受け、日本医師会の中川俊男会長は8月5日の定例会見で、「現時点では、エビデンスが不足している」との見解を示した。
◎新型コロナ感染者41人対象 群間比較で陽性頻度低下
大阪府は、大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターの観察研究(大阪府・市が研究に協力)を8月4日に発表している。研究では、ホテル宿泊療養をする感染者41人を対象に、1日4回(起床時・昼食前・夕食前・就寝前)、ポピドンヨードでうがいをする群と、水でのうがいする群にわけ、新型コロナウイルス陽性頻度を検討。この結果、ポピドンヨードでうがいした群では、ウイルス陽性頻度が低下すると結論付け、今後臨床研究を拡大する考えを示していた。発熱や風邪症状のある人とその同居家族、接待を伴う飲食店の授業員や医療・介護従事者に対し、ポピドンヨードによるうがいの励行なども訴えていた。
◎「推奨」することに医療現場から懐疑的な声も
これを受け、薬局でイソジンが姿を消した。ポピドンヨードについては、風邪やインフルエンザに対する予防効果が否定されており、エビデンスが不足しているまま推奨することに対して懐疑的な声が医療現場からはあがっていた。