EMA 移転地決定に向け準備急ぐ
公開日時 2017/11/14 03:50
EMA(欧州医薬品庁)は、英国のEU離脱に伴い、ロンドンから移転することが決まっているが、EU加盟国がその移転地を11月20日に決定することを受け、11月7日、今後の準備への対応策を発表した。
EMAは、かねてから、移転による業務への支障がないように業務の円滑な継続と職員の確保に重点を置き準備を進めてきたが、すでに英国のEU離脱日である2019年3月30日まで17か月足らずとなり、すでに同日には移転地での業務開始が迫られていることから新たな移転地(都市)政府と直ちに準備作業に入る考えを示した。
しかし、EMAは、EMAのような巨大組織が移転し業務を円滑に継続させるのは非常に困難な仕事だと位置づけ、それに対応するためには、EMAと当該国の効果的な共同作業が基本であるとした。このため、EMAは、移転地が決定次第、当該政府と共同の「統治機構」を設置、移転と業務の継続が成功裏にできるよう共同作業を開始する考えを明らかにした。
今回の移転がEUにおける公衆衛生上、重要な問題であることから、EMAは、透明化を図るために、EU諸国の医療関係者および消費者に作業過程を十分に理解できるように12月初めに、EMAおよび当該国の作業の進捗状況の工程表を公開する。
さらに、移転先で入居する事務所とEMAスタッフ家族の教育および住居の問題を重視、EMAの要件を満たすビルの整備をするだけでも12~15か月かかるほか、事務所整備計画では、EMA運営委員会、EU予算当局および移転先当該国の承認を必要とするために時間を要することを考慮、関係当局の承認プロセスの加速化などの解決策が必要と訴えた。EMAスタッフの家族の教育の問題では、2018年2月現在で家族の子弟約600人が学童・生徒のため、移転地政府に対して、親に対する学校の場所、使用言語などの情報提供を求めた。さらに、手ごろな家賃・価格での便利な場所の高品質の住居についての情報提供も求めた。