5月のMR薬局訪問 好印象企業トップは2か月連続でMeiji Seika 新規統合失調症薬の説明わかりやすく
公開日時 2016/08/05 03:51
ネグジット総研MMPR(http://www.mmpr.jp/)はこのほど、薬局薬剤師を対象とした意識調査で、16年5月のMR訪問で最も好印象だった企業が前月に引き続きMeiji Seika ファルマだったとの結果をまとめた。「最も好印象」との回答割合で前月は2位と僅差のトップだったが、5月は2位以下を大きく引き離した。新規の統合失調症治療薬シクレスト舌下錠の情報活動を評価する声が多く、特徴を端的にわかりやすく説明してもらったことに好感を持ったとのコメントが複数みられたほか、近隣医師が処方する可能性があるとして迅速に薬局に使用上の注意点などの情報活動をしたことも良い印象として残ったようだ。
文末の関連ファイルに、5月の最も好印象企業上位10社や、1位、2位企業で評価した点のほか、「今月のダメ!MR」をまとめた資料を掲載しました(8月5日のみ無料公開、その後はプレミア会員限定コンテンツになります)。
同社は毎月、同社の薬剤師モニターを対象に、「製薬企業訪問実態調査」としてMR活動などを調査している。5月調査では保険薬局勤務薬剤師(=薬局薬剤師)233人から回答を得た。調査期間は4月25日~5月29日。方法はWebアンケート。
保険薬局に対するMR訪問で好印象だった上位3社はMeiji(「最も好印象」との回答割合15.0%、前月1位)、2位が武田薬品(8.6%、10位圏外)、3位が大塚製薬(7.3%、10位圏外)と第一三共(7.3%、3位)――だった。
Meijiに好印象をもった薬剤師のコメント35件中24件がCNS領域製品に関するもので、シクレストが12件と最多。「特徴を端的に説明」「医師の使いそうな新薬の情報提供が早かった」といったコメントが多くみられた。このほかのCNS領域製品は、統合失調症などの適応を持つジプレキサの後発品(GE、6件)、抗うつ薬リフレックス(4件)、抗てんかん薬ディアコミット(1件)、抗認知症薬アリセプトGE(1件)――で、シクレストと同様に情報提供の速さや、要点を絞った的確な情報内容を評する意見が散見された。
武田は抗潰瘍薬タケキャブ、週1回DPP-4阻害薬ザファテックを中心に情報提供活動を展開。特にタケキャブでは「過量服用に関する安全性の情報提供」「薬の使用法を細かく教えてくれた」「医師の使用後の評価の報告。調剤後の薬の効果を次に知るのは医師なので、その評価は大変ありがたい」といったコメントが寄せられた。薬剤師の役に立つ具体的な活動を積極的に行っている姿が垣間見える。
大塚は抗パーキンソン病薬ニュープロや抗潰瘍薬タケキャブなどの情報活動を行い、丁寧な対応に好感を持たれたようだ。良かった活動に「勉強会の提案・相談」が複数見られたことも同社活動の特徴だ。第一三共は17件のコメント中9件が経口抗凝固薬リクシアナに関する活動。「話す内容の濃さ」「詳しい説明と、どのくらいDrが使用するかの予測を話してくれた」など情報提供内容に対する薬剤師の満足度の高さが見受けられた。
■多忙時の来訪は遠慮を 「患者いる時に割り込んできた」との事例も
MR活動で良い印象を持たなかった行動や内容を取り上げる。有効回答82件のコメントを分類してみると、最多は4分の1強を占めた“情報の質が悪い”というもの。「ネット情報以上のものがなかった」「ただ挨拶とパンフレットを置いていっただけ」といったコメントが確認された。
次いで多かったのが“訪問タイミングの悪さ”。全体の16%だった。多忙時の来訪が不快だったとの一般的な内容のほか、「待合室に患者がいるときに、緊急情報でもないのに割り込んできた」とあり得ない活動も指摘され、このケースでは患者からクレームを受けたという。当該MRの所属企業だけでなく、他社も含めた厳しい訪問規制が課せられそうな事例だろう。また、調査が5月ということで、大型連休前の多忙な時期の訪問に良い印象をもたなかったとの指摘もあった。8月のお盆休み前の患者増加時の訪問タイミングに注意が必要かもしれない。