診療機械にはならない!と医師が組合を結成
公開日時 2016/02/05 03:50
1月10日付ニューヨークタイムズ紙が、オレゴン州の大手病院チェーンで、医師が診療機械にはならない!と主張して、病院経営者に対峙するための組合を組織したと報じ、記事の内容とともに「ベルトコンベアに乗った患者をさばいている医師」の複数の大きなイラストも話題となった。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
http://www.nytimes.com/2016/01/10/business/doctors-unionize-to-resist-the-medical-machine.html?_r=0
話題の病院はPeaceHealth Sacred Heart Medical Center。
https://www.peacehealth.org/sacred-heart-riverbend/Pages/default.aspx
記事は患者1人あたりの 診療時間の長い医師に対し経営側からプレッシャーがかかるなどの医療専門職と経営の間の深刻な対立をレポート。事態を打開するために医師が組合を結成したことを詳細に報じた。
記事には1週間で543件のコメントが寄せられた 。曰く「 医師は専門職としての自律性を守るべき」「医療は消費財ではない。利益追求が至上価値の経営陣は排除すべき」「最近はコンピュータに残ったデータだけに基づいて医師や医療を評価 するが、データは往々にして「患者」を見落としている。 患者をきちんと見ているのは医師だけだ」など。
コスト削減への圧力は米国の医師にも医療機関にも最近では保険会社にも共通の課題である。国民医療費の高さと伸び率を考えればコスト削減が急務である事故は論を待たず、国民各層に共通の認識だ。だが、ではどのように?の具体的な各論はそれぞれの立場で大きく異なっているのが現実だ。