サノフィ 造血幹細胞の末梢血中への動員促進薬プレリキサホルを国内申請 開発要請品目
公開日時 2016/02/08 03:50
サノフィはこのほど、自家末梢血幹細胞移植のための造血幹細胞の末梢血中への動員促進薬プレリキサホルについて、日本で承認申請したと発表した。申請は1月27日付。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で医療上の必要性が高いと判断され、同省から開発要請を受けていたもの。15年12月には希少疾病用医薬品に指定されている。
血液がん治療では抗がん剤を用いた大量化学療法が実施されることがある。その場合、副作用として、血液を作り出す骨髄の機能が抑制されるため、治療後の造血機能及び免疫機能の回復が必要になる。そのため、血液を作るもとになる患者自身の造血幹細胞を事前に採取し、大量化学療法後に患者の体に戻す自家移植が行われる。
しかし、一部の患者では十分量の造血幹細胞を得られず、結果として移植を断念せざるを得ない場合がある。また、十分量の造血幹細胞を収集するのに1日数時間、連日行う必要があり、患者の負担も大きい。同剤は造血幹細胞を骨髄から末梢血へ循環させる「動員」を促進させる働きを持ち、造血幹細胞採取の回数の減少と採取率を向上させる。同社は、「より多くの患者が造血幹細胞の自家移植を受けることが可能になると期待される」としている。