EMA ニボルマブなど新規抗がん剤3剤含む新薬6品目に承認勧告
公開日時 2015/06/02 03:50
欧州医薬品庁(EMA)は5月18~21日に、ヒト医薬品委員会(CHMP)を開催し、抗がん剤Keytruda(ペムブロリズマブ)、Nivolumab BMS(ニボルマブ)およびUnituxin(dinutiximab)の3剤を含む、新医薬品6品目について承認勧告を行った。承認勧告の対象となったのは、以下の6品目。
製品名(一般名)、申請企業、適応症、摘要の順。
*Evotaz フィルムコート錠(一般名:アタザナビル300mg+コビシスタット150mg配合剤)、Bristol-Myers Squibb Pharma EEIG。成人におけるアタザナビル耐性に伴った遺伝子変異のないHIV感染症で他の抗レトロウイルス剤との併用。同剤は、HIVプロテアーゼ阻害剤アタナザビルと薬物動態エンヘンサー・コビシスタットの定用量配合剤。
*Keytruda 50mg点滴用濃縮粉末(ペムブロリズマブ)、Merck Sharp & Dohme Limited。成人における進行(切除不能もしくは転移)黒色腫の単剤療法。同剤は、PD-L1およびPD-L2リガンドに結合するPD-1の働きを阻害する抗体で、免疫療法剤である。
*Nivolumab BMS 10mg/10ml点滴用濃縮液(ニボルマブ)、Bristol-Myers Squibb Pharma EEIG。成人における限局性進行もしくは転移扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)。同剤は、PD-L1およびPD-L2リガンドに結合するPD-1の働きを阻害する抗体で、免疫療法剤である。
*Omidria眼内潅流液剤(フェニレフェリン12.37mg/ml+ketorolac24mg/ml配合剤)、Omeros London Limited。術中散瞳の維持、術中縮瞳の予防および眼内レンズ置換手術における術後急性眼痛の軽減。フェニレフェリンは、α-1アドレナリン受容体作動薬。Ketrolacは、非ステロイド抗炎症剤(NSAID)。
*Repatha 140mg/ml注射用液(evolocumab)、Amgen Europe B.V。成人における高コレステロール血症もしくは混合型脂質異常症、および成人と12歳以上の青少年におけるホモ接合型家族性高コレステロール血症。同剤は、LDLコレステロール(LDL-C)に関与するタンパクであるPCSK9を阻害するモノクローナル抗体。
PCSK9は肝細胞表面にある、血中の過剰なLDL受容体を分解し、肝臓のLDL-C排除機能を低下させる。このため、同剤は、PCSK9と結合、その働きを阻害することによって、LDL受容体の分解を抑制、肝臓のLDL-C分解機能を維持させる。
*Unituxin 3.5mg/ml 点滴用濃縮液(dinutiximab)、United Therapeutics Europe Ltd。小児(1歳から17歳)におけるハイリスク神経芽細胞腫。同剤は、神経芽細胞腫細胞表面のGD2という糖脂質と結合する抗体。同剤は、2011年6月21日に希少疾病薬に指定された。
なお、今回のCHMPでは、以下2品目のジェネリック医薬品(GE)を承認勧告した。
*Bortezomib Accord 3.5mg注射液用粉末(ボルテゾミブ)、Accord Healthcare Ltd。多発性骨髄腫およびマントル細胞腫。先発品はVelcade。
*Pregabalin Zentiva 25mg、50mg、75mg、100mg、150mg、200mg、225mgおよび300mgハードカプセル(プレガバリン)、Zentiva k.s。てんかんおよび全般性不安障害。先発品はLyrica。