ビスフォスフォネート製剤市場 月1回製剤の使用患者が3割突破 JMIRIまとめ
公開日時 2015/02/06 03:51
調剤レセプトベースで実際の処方状況を把握・分析する医療情報総合研究所(通称JMIRI)によると、骨粗鬆症治療に用いるビスフォスフォネート(以下BP)製剤を用いている患者のうち、月1回製剤を使用している患者が31%を占めることがわかった。週1回製剤は62%、連日服用製剤が7%――。これは2014年11月時点の結果。JMIRIによると、月1回製剤のみ一貫してシェアを伸ばしており、過去2年間で倍増しているという。
BPの月1回製剤としては、11年9月にリカルボン/ボノテオ(一般名・ミノロドン酸水和物、小野薬品/アステラス)が、13年2月にベネット/アクトネル(同リセドロン酸ナトリウム水和物、武田薬品/味の素・エーザイ)が発売されている。
JMIRIはこの結果について、「月1回製剤では飲み忘れのリスクを危惧することもあるが、やはりBPの服用に伴う煩雑さを減らしたいという意向が医師、患者ともに働いているのではないか」とコメントしている。BPでは経口吸収が悪いうえ、胃酸とともに食道を逆流して粘膜障害を引き起こすことから、その防止を目的に空腹時に服用し、服用直後最低30分は上体を起こしておく必要があり、この煩雑さが月1回製剤のシェア伸長の背景にあるとの分析である。
なお、月1回製剤を含むBP製剤自体は骨粗鬆症治療薬市場の中で右肩下がりに推移し、右肩上がりの推移をみせるビタミンD3(以下、VD)製剤が2012年初頭ごろからクラス別でトップシェアとなっている。クラス別の患者数シェアは14年11月時点で、VD製剤が57%、BP製剤が49%、選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)が14%――である。これもBP製剤自体の服薬に伴う煩雑さと、VD製剤の新薬エディロールで既存VD製剤に比べて臨床試験で有意な骨折予防効果を示したことがあるとみられる。
詳細はMonthlyミクス2月号(2月1日発売)の連載「医師の処方動向をよむ」に掲載している。ミクスOnlineでは有料会員向けに公開中。アドレスは、こちら。