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武田薬品 インスリン抵抗性改善薬ピオグリタゾン 膀胱がんリスクの増加認められず

公開日時 2014/09/01 03:51

武田薬品は8月29日、インスリン抵抗性改善薬アクトス錠などピオグリタゾン含有製剤に関する10年にわたる疫学研究結果で、同製剤投与による膀胱がん発生リスクの有意な増加は認められなかったと発表した。このデータは同日(米国時間28日)、日本の厚生労働省と医薬品医療機器総合機構(PMDA)、FDA、EMAなど各国の規制当局に提出した。厚労省は、まずPMDAでデータを評価し、その結果を踏まえ対応を検討する。

 
日本における臨床現場への情報提供について同社は、解析結果が文献化されていないことから積極的に行っておらず「質問が出た場合に事実関係を答えるにとどめている」としている。
 
この疫学研究は、同社がペンシルベニア大学に委託して行ったもので、同大とKaiser Permanente医療保険グループ(KPNC)の研究部門により実施された。5年間の中間解析では、同製剤を2年以上使用した患者において膀胱がんの有意なリスク増加を指摘。日本では添付文書に膀胱がんの発生リスクの増加のおそれが明記されるに至った。
 
今回の発表されたのは、その疫学研究の10年間の最終解析で、発表によると、主要解析では、同製剤の投与と膀胱がん発生リスクとの間には関連性は認められなかった。膀胱がん発生リスクとピオグリタゾンの投与期間、累積投与量あるいはピオグリタゾン投与開始からの期間との間のいずれにおいても関連性は認められなかったという。詳細なデータはまだ開示されておらず、研究チームが2014年中に論文投稿する予定という。
 
このデータ提出を受け、厚労省医薬食品局安全対策課の上野清美安全推進室長は、本誌に「まずPMDAで内容が評価されることになる。その評価を受け(厚労省として)、どのような対応が必要になるか考えていくことになる」と話した。検討にどの程度かかるかは不明で、その間は添付文書に従って薬剤を使用することになる。
 
添付文書では「重要な基本的な注意」に、▽膀胱がんの既往を有する患者には本剤の有効性及び危険性を十分に勘案した上で、投与の可否を慎重に判断▽患者又はその家族に膀胱がん発症のリスクを十分に説明してから投与▽投与中は定期的な尿検査等を実施--することなどと記述されている。
 
 
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