英国で麻疹が急増 原因は自閉症パニック?
公開日時 2013/07/26 05:00
20世紀中にほぼ撲滅されたと考えられていた麻疹が、21世紀に入ってから英国で急増し、社会問題になっている。実際、年間100例程度で推移していた感染例が2006年頃から急増し、2012年には2030例報告されている。
麻疹は強い感染力がある伝染病だが、1960年代から実用化されたワクチンで、ほぼ予防可能となった。麻疹の予防接種は、一般に三種混合ワクチン(三種のワクチン:麻疹、流行性耳下腺炎、風疹の頭文字をとって英語ではMMRと呼ばれている)として普及して来た。
だが、1998年に医学雑誌ランセットに掲載された論文(http://briandeer.com/mmr/lancet-paper.htm)がこの三種混合ワクチンと自閉症の関連を指摘したことから、幼児を持つ親の間に「自閉症パニック」と呼ばれる拒否反応がひろがり、英国でもこの予防接種を受けないこどもが増加した。
近年の麻疹観戦数の急増は、これに関連があると言うのがもっぱらの指摘である。英国では、麻疹の予防接種だけを受ける成人が増えているといわれ、流行の行方が懸念されている。