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イノベーションの役割を強調  IFPMA総会

公開日時 2012/11/21 04:00

国際製薬団体連合会総会(IFPMA)は10月30~31日にスイスのジュネーブで「世界の健康のために共に革新しよう」(Innovating Together for Global Health)をテーマに第26回総会を開催、バイオ・医薬のイノベーションが世界の低所得地域の疾患の問題解決に役立つなどイノベーションを巡る話題に焦点があてられた。


IFPMAのEudrado Pisani理事長は、31日の会議の挨拶で、「我々の直面する最大の課題は、抗生物質耐性菌、NTD(顧みられない熱帯病)、がんやアルツハイマー病のような非感染症だ」と指摘したうえで、「我々はイノベーションを通して、予防ワクチンや治療法の、『武器』を増やす必要がある」とイノベーションを通してさらに医薬品やワクチン開発を増強する必要性を強調した。さらに「近年、主なヘルスケアの問題は国際的な協力によって解決されている」と指摘、問題解決に一層の国際間の協力を訴えた。


IFPMAの野木森雅郁会長代行(アステラス製薬会長)は、30日の晩さん会で挨拶し、IFPMAの2011-2012年度の事業を振り返り、NTDへの対応の確立、非感染症対策の推進、新IFPMA倫理綱領の設定などの事業を展開したことを説明した。そのうえで、「これら事業は、医薬品産業が世界の健康改善のために活動し貢献していることのいくつかの証し」と述べ、「我々は1人のパートナーであり、イノベーションと考えることにベストを尽くしている」と国際的協力とイノベーション推進に邁進している状況に理解を求めた。


今回の総会では、「中所得国におけるイノベーションを促進するための政策」(Policies that encourage innovation in middle-income countries)と題する研究報告書が発表された。同調査研究は、コンサルタント企業Charles River Associatesが、ブラジル、中国、コロンビア、インド、マレーシア、南アフリカ、韓国のイノベーションの状況を調査した。


IFPMAのEudrado Pisani理事長は、「近年、バイオ・医薬品のイノベーションが起きている国が増加してきた。この傾向は今後も続くと見られる」と展望したうえで、「中所得国は早期段階の研究から臨床開発に至る範囲のイノバティブな活動にとって重要になってきた」と指摘、「このような国々におけるイノベーションを刺激し、動かすものが何であるかを理解するために政府や業界にとって大切なので、この報告書をまとめさせた」と調査実施の理由を説明した。


報告書は、上記諸国でのイノベーションの基本的な成功要因は、一貫的かつ長期的政策と法的枠組みにあると指摘、「これが各国の産業政策や健康政策との効果的な調整、関係者間の協力の促進や十分な特許保護政策が相まって行われるべき」と提言した。さらに、「いくつかの国は、競争的優位性を持っているイノベーションプロセスにおいて、前述の政策・対応策の実行段階に特化すべき」ことを促した。


◎IFPMA副会長にアステラス製薬の野木森雅郁会長


30日には、新役員の選出が行われ、新会長にはイーライリリーのJohn Lechleiter CEO、副会長にはアステラス製薬の野木森雅郁会長およびメルクセローノのStefan Oschmann CEOが選ばれた。              

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