第一三共ランマークで「安全性速報」 低Ca血症で死亡も 添付文書に「警告」欄
公開日時 2012/09/12 04:03
厚生労働省医薬食品局は9月11日、がんの骨転移患者の骨が弱くなるのを防ぐ骨病変治療薬ランマーク(デノスマブ遺伝子組換え)の副作用の低カルシウム(Ca)血症について、7月の注意喚起以降、死亡例も報告されたとして、製造販売元の第一三共に対し、添付文書には「警告」欄を設けるとともに、「安全性速報」(ブルーレター)により医療現場への注意喚起を徹底するよう指示した。
同省によると、4月の発売から推定で約7300人が使用した。7月の注意喚起時点で国に報告された低Ca血症は6人(薬との因果関係が否定できない例)だったが、その後4月の発売から8月31日の約4カ月間に重篤なケースが32人、うち男性2人が死亡したことが分かった。そこで同省は、注意喚起の徹底が必要と判断し、今回の対応となった。
具体的には▽投与前及び投与後頻回(投与後数日から発現することがあるため)に血清Caを測定をすること
▽Ca及びビタミンDの経口補充をすること(血清補正Ca値が高値でない限り、毎日少なくともCaとして500mg及び天然型ビタミンDとして400IUの投与)
▽重度の腎機能障害患者では低Ca血症を起こすおそれが高いため、慎重に投与
▽低Ca血症が認められた場合には、Ca及びビタミンDの経口投与に加えて、緊急を要する場合には、Caの点滴投与を併用するなどを行うこと--を医療機関に伝えることを求めた。
投与中の患者には、高Ca血症の場合を除き、医師の指示に従ってCa及びビタミンDを合わせて服用し、低Ca血症の初期症状である手足のふるえ、しびれなどの症状がある場合には直ちに医師に連絡するよう呼びかける。
厚労省の発表資料、ブルーレター、添付文書の改訂指示、患者向け注意文書は こちら