サノフィのGLP-1受容体作動薬リキシセナチド フェーズ3で血糖コントロールを有意に改善
公開日時 2012/05/25 04:02
サノフィ・アベンティスは5月24日、開発中のGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)受容体作動薬であるリキシセナチド(一般名)のフェーズ3(GetGoal-L-Asia)で、基礎インスリンで効果不十分な患者に対しリキシセナチドを併用し、血糖コントロールが有意に改善したことが明らかになったと発表した。アジア人に限定した試験で、試験の結果はDiabetes,Obesityand Metabolismに掲載された。国内では現在フェーズ3が進行中で、発売されればビクトーザ(ノボノルディスク)、バイエッタ(日本イーライリリー)などに続く、GLP-1アナログ製剤となる。
同試験は基礎インスリンで血糖コントロールが不十分なアジアの2型糖尿病患者を対象として09年にスタートしたもので、日本、韓国、台湾、フィリピンの4カ国が参加。基礎インスリンの投与を受けているにもかかわらず、HbA1c(NGSP)の値が7~10%の患者311人が登録され、リキシセナチドを1日1回投与した群とプラセボ群で、有効性や安全性を検討したもの。その7割の患者にSU薬が併用されていた。
24週の時点でリキシセナチド投与群はHbA1cが有意に改善した。HbA1cが6.5%以下または7.0%未満を達成した患者数は、リキシセナチド群ではそれぞれ17.8%、35.6%だったのに対し、プラセボ群では1.3%、5.2%だった。また、リキシセナチド群の86%、プラセボ群では92%の患者が試験を完了し、リキシセナチドの忍容性が示された。
安全性に関しては、重篤な有害事象がリキシセナチド群で10例(6.5%)、プラセボ群で9例(5.7%)認められた。有害事象(主に消化器系の有害事象)のために試験を中止した患者は、リキシセナチド群が(14例、9.1%)がプラセボ群(5例、3.2%)より高かった。また、リキシセナチド群では吐き気(39.6%)、嘔吐(18.2%)が認められたが、プラセボ群ではそれぞれ4.5%、1.9%だった。