FDA 肺炎球菌ワクチンPrevnar13の50歳以上での接種を承認
公開日時 2012/01/17 04:00
食品医薬品局(FDA)は12月30日、ファイザーの13価肺炎球菌結合型ワクチン「Prevnar13」について、50歳以上の成人における肺炎球菌による肺炎および侵襲性感染症の予防の適応追加を承認した。
同剤は、すでに生後6週から5歳以下の乳幼児における肺炎球菌による肺炎および侵襲性感染症の予防の適応で承認されている。
FDA生物製剤評価研究センター(CBER)のKaren Midthunセンター長は、「米国では毎年肺炎球菌肺炎で50歳以上の成人が毎年、30万人入院しており、死亡原因の主要因のひとつでもある」と肺炎球菌感染症の脅威を説明したうえで、「この年齢層での肺炎球菌肺炎および侵襲性感染症の予防のワクチンが一つ追加された」と同剤の承認を歓迎した。
同剤は、肺炎球菌による感染症が重篤かつ生命を脅かす疾患という理由で迅速審査の対象となった。同剤の有効性・安全性は、欧米での約6000例を多施設・無作為化比較試験で検証された。「Prevnar13」接種群とすでに承認済みの米メルクの肺炎球菌ワクチン「Pneumovax23」接種済み群あるいは未接種群の50歳以上の成人を比較した。
「Prevnar13」は、ファイザー一部門のワイス・ファーマシューティカルズ(ペンシルバニア州カレッジビル)が製造する。
FDAの親機関である保健福祉省(DHHS)は、2010年12月2日に、10年間で国民衛生の向上を目指す、国家プロジェクトである「Healthy People 2020」(健康な国民2010年)をスタートさせた。同プロジェクトのなかで、予防医療の充実を目指しているが、ワクチンの振興がその一環となっており、今回の「Prevnar13」についての50歳以上の成人適応追加承認もその具体化となる。