杏林製薬 スペイン企業からCOPD治療薬を導入 呼吸器領域の柱に
公開日時 2011/02/25 04:00
キョーリン製薬ホールディングスは2月24日、スペインのアルミラール社が創製した慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬アクリジニウム臭化物(一般名)について、子会社の杏林製薬が日本における独占的な開発・販売権を取得したと発表した。このライセンス契約は23日付。キョーリングループは2010年度~23年度の長期経営ビジョンを公表しているが、今回導入したCOPD治療薬は長期経営ビジョンの2期目(16年度~19年度)の早い時期までに開発し、承認申請することを想定している。
杏林は経営資源を集中する領域のひとつに呼吸器領域を据えている。国内フェーズ3段階にある気管支喘息用配合薬KRP-108と、今回導入したCOPD治療薬を将来の2本柱に呼吸器領域で競争力を高める考えだ。杏林は「アクリジニウム臭化物を国内で早期に開発し、COPD治療の第一選択薬として患者さんのQOL向上に貢献したい」とコメントしている。
今回の契約により、杏林はアルミラールに対して契約一時金や開発段階に応じたマイルストーンペイメント、発売後には一定のロイヤルティを支払うが、具体的な金額は非開示。アクリジニウム臭化物はアセチルコリン受容体拮抗作用によってCOPDに伴う呼吸困難や息苦しさなどの諸症状を改善する長時間作用型気管支拡張薬。ドライパウダー製剤で専用の吸入器を用いて使用する。杏林によるとアクリジニウム臭化物の特長は▽全身性の副作用が少ない▽最大効果発現までの時間が短い▽1日2回投与により、1日を通じて症状と呼吸機能を改善する――ことを挙げている。米欧では今年半ばに承認申請される計画。