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FDA アバスチンの乳がん適応削除を勧告

公開日時 2010/12/21 04:01

米・FDAは12月16日、抗がん剤・アバスチン(一般名:ベバシズマブ、ジェネンテック)について同剤のラベルから乳がんの適応削除を勧告した。FDAは、4本の臨床試験データを検討した結果、同剤は全生存率を延長せず、また、病勢進行を遅らせる十分なベネフィットも示されないと指摘。同剤のベネフィットはリスクを上回らないとの理由で同勧告を決めた。


FDAのJanet Woodcock医薬品評価研究センター長は、「(乳がん患者を対象とした)どの試験でもアバスチンを服用している患者で、明確な延命効果を示すことができず、重篤な副作用を経験した」とした。その上で、「アバスチンの重大なリスクを伴う限定的な効果は我々に難しい決定をもたらした」と苦渋を示し、「ジェネンテックには、同剤でベネフィットを受けるような選択した集団があるかどうかを見極める追加試験の実施」を求めた。


FDAでは、ラベルからの適応の削除が第1段階と話し、市場からの撤退は意味しないとしている。また、医師に対しては、現在、同剤治療中の患者に、同剤を続けるか、他の治療法に変更するか、医師の医学的判断で決定するよう呼びかけている。


乳がんの適応削除について、ジェネンテックが同意しなかったため、FDAは同社に意見を求める「ヒアリング機会通知」を発行した。ヒアリングの実施に際しては、同社が今後は15日以内に求める必要がある。FDAは、今回の措置が、大腸がん、腎がん、脳腫瘍、肺がんなど他の適応への影響はないとしている。
 

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