うつの痛み 医師に話すことで治療効果の改善が期待
公開日時 2010/11/24 04:02
塩野義製薬と日本イーライリリーが組織する「うつの痛み」情報センターがこのほど発表した調査結果によると、うつ病患者の72.1%がうつ病の痛みが精神症状に影響すると感じており、うち68.6%は痛みがうつ病の回復を妨げると答えていることが明らかになった。
うつ病患者の6割が実際に「痛み」を経験し、痛みの特徴は「頭」「肩」「胃」が多く、8割が鈍い痛み。しかし、そうした痛みに関しては、診療の場では話されていない傾向があり、話していない理由として69.2%の患者が「うつの症状だと思わなかったため」と回答していた。その一方で、医師の64.7%が「患者がうつ病の痛みを話すことで、うつ病の治療効果が上がる」と認識していることも分った。
同調査は過去5年以内にうつ病と診断され、現在うつ病治療薬を服用し、かつがん、関節リウマチ、痛風の治療薬を服用していないうつ病患者(スクリーニング調査:3374例、本調査:663例)、およびうつ病、うつ状態の患者を1カ月に20人以上診療している精神科・心療内科医師とうつ病の患者を1カ月に5人以上診療している一般内科医師(本調査:456例)を対象に実施したもの。