田辺三菱製薬の2011年３月期（10年度）第２四半期連結決算は、新薬創出加算の適用を受けた抗ヒトＴＮＦαモノクローナル抗体製剤「レミケード」の売上げが前年同期比66億円増となり、国内医療用医薬品の増収分70億円の９割以上を稼ぎ出し、全体として増収増益を確保した。

その他主力品の売上げ動向をみると、脳保護剤「ラジカット」は前年同期比４億円増、選択的β１遮断剤「メインテート」は５億円増となったほか、アレルギー性疾患治療剤「タリオン」も６億円増と、順調に推移した。ワクチン事業では、４月に接種勧奨が再開された乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン「ジェービックＶ」が26億円増、ジェネリック医薬品も19億円増となり、それぞれ業績に寄与した。なお同社は、10年度通期業績予想は据え置いた。

【連結中間業績（前年同期比）10年度通期予想（前年同期比）】
売上高2046億8400万円（3.3％増）4010億円（0.9％減）
営業利益401億5500万円（46.3％増）670億円（9.0％増）
経常利益404億7300万円（45.0％増）670億円（8.7％増）
純利益227億400万円（67.5％増）355億円（17.3％増）

【10年度中間期売上高（09年度中間期実績）10年度通期予想、億円】
レミケード293（227）607
ラジカット143(139)283
セレジスト90（84）178
アンプラーグ83(95)160
ウルソ77(83)150
メインテート60(55)118
デパス57(59)111
タナトリル50(58)93
ヘルベッサー49(56)95
タリオン47(41)126
ヴェノグロブリンＩＨ46(49)88
リプル37(41)73
サアミオン33(38)64
ノイアート28(29)55
オメプラゾン25(29)48
ノバスタン17(15)31

ワクチン計151(131)268
内ミールビック76(78)118
内インフルエンザ19(24)73
内ジェービックV37(11)47

ジェネリック54(35)135