サノフィ 米ベンチャー買収導入など活発化 主力品の特許切れ受け
公開日時 2010/10/08 04:00
仏サノフィ・アベンティス(SA)は、ジェンザイムの買収交渉の最中、米ベンチャーのVaxDersignを買収した。さらに独・ベンチャーのPierisとライセンス契約を締結するなどR&Dの強化を図っている。
この背景には、主力品のLovenox(エノキサパリン)、Plavix(クロピドグレル)、Taxotere(ドセタキセル)と同社の主力品が特許切れを迎えた一方、同社のパイプラインにその損失を補てんする候補がないことが挙げられる。
買収する米・ベンチャーのVaxDesignとは、5500万ドルの前払い金と、500万ドルのマイルストーンを支払う条件で合意に至った。VaxDesignは、免疫系試験に関わるModular Immune In-vitro Construct(MIMIC)を呼ばれる独自のプラットホーム技術を持つ。
サノフィ・アベンティスは、子会社サノフィパスツールがワクチン開発の前臨床段階で同技術を活用することに期待をかける。新規ワクチンの開発を進めるかどうか最終判断する際の根拠としたい考えだ。
タンパク医薬に特化した起業した間もないベンチャーである独・Pierisからは、6医薬候補物質を、前払い金350万ユーロ(480万ドル)で導入した。前払い金は少額だが、各薬剤につき、4450万ドルのマイルストーンを支払うとしている。
さらにサノフィ・アベンティスは、9月30日にCROのCovanceと10年間の業務提携を締結した。開発コストを抑制するためにCRO活用分野を拡大することが目的とみられる。同社の2つの研究所を2500万ドルで売却する一方、Covanceのセントラル・ラボラトリー・サービスを利用する権利を獲得するというもの。 Covanceは、12~20億ドルを受け取るとみられている。
(The Pink Sheet 10月4日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから