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日本糖尿病協会 インクレチンとSU薬の適正使用で勧告

公開日時 2010/04/14 04:02

日本糖尿病協会の「インクレチンとSU薬の適正使用に関する委員会」は4月8日付けで、インクレチンとSU薬の適正使用に関する医療従事者向けの勧告をホームページ上に公表した。同勧告は昨年12月以降、SU薬にシタグリプチンを追加投与した症例から重篤な低血糖による意識障害を起こすケースが複数報告されたことを踏まえ、協会内に委員会を設置して検討を重ねてきた。その結果、重篤な低血糖を起こすケースとして、①高齢者、②軽度腎機能低下、③SU薬の高用量内服、④SU薬ベースで他剤併用、⑤シタグリプチン(製品名 ジャヌビア・グラクティブ)内服追加後早期-など特徴を認めたとし、それぞれ対策案を示した。


公表された勧告は5項目に及ぶ。高齢者や軽度腎機能低下者にSU薬を使用する場合は極めて慎重でなければならないとし、「投与して効果が少ない場合、SU薬は安易に増量しない」とした。また高齢者・心不全・腎機能低下(軽度障害を含む)は、現行ではビグアナイド(BG)薬の投与は禁忌とする。


SU薬ベースで治療中の患者にシタグリプチンを追加投与する場合については、SU薬は減量が望ましいとした。特に65歳以上の高齢者や、Cr1.0㎎/dl以上の軽度腎機能低下者、あるいは両者が併存する場合はSU薬の減量を必須とする。グリメピリド(アマリール)2㎎/日を超えて使用している患者は2㎎/日に減じる。同様にグリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)2.5㎎/日を超えている患者、グリクラジド(グリミクロン)40㎎/日を超えている患者もそれぞれ同量以下に減じるとした。なお、この量以下で、血糖コントロール不十分な場合はそのままシタグリプチンを併用し、必要に応じてSU薬を増量。一方、SU薬が上記量以下で治療され、血糖コントロールが不十分な場合はそのままシタグリプチンを併用し、血糖の改善が見られれば必要に応じてSU薬を減量する。


そのほかSU薬を使用する場合は、常に低血糖を起す可能性があることを念頭に置き、患者にも低血糖の教育など注意喚起する。判断が難しい場合は専門医へのコンサルトを強く推奨するとした。

 
 
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