知財高裁 レボフロキサシン特許訴訟 第一三共の請求棄却
公開日時 2009/10/29 04:01
抗菌剤レボフロキサシン(先発商品名:クラビット)のレジオネラ属の効能追加に伴う特許期間延長に対する特許庁の無効審決を不服として、同剤を製造販売する第一三共が知財高裁に提訴した審決取り消し訴訟で、知財高裁は10月28日、第一三共の請求を棄却する判決を言い渡した。
第一三共は11年5月27日まで特許が認められると主張していたが、沢井製薬などジェネリック(GE)メーカー13社が無効審判を求め、特許庁は08年11月、特許は08年12月25日で満了と判断した。これに第一三共は、この無効審決の取り消しを求めて知財高裁に提訴していた。今回の判決は特許庁の判断を支持したものとなる。
今回の判決に対し第一三共は、「最高裁で争うという道は残されていると認識しているが、今回の知財高裁の判決の内容を当社として精査し、今後の対応を判断したい」とコメント。同社は、主張が認められることを念頭に、GEメーカー23社を相手取り特許侵害訴訟を東京地裁と大阪地裁に提起しているが、この訴訟への対応についても検討することになる。
同剤のGEは今年5月に発売されている。GEの対象は100mg製剤だが、耐性菌問題を避けるため第一三共は現在500mg製剤への切り替えを進めている。100mg製剤は11年3月をめどに薬価基準から削除する方針だが、「それとは別に知財の問題は対応していく」との姿勢を示している。