厚生労働省は9月29日、医薬品の重篤な副作用として知られるスティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)について05年からの約4年間で2370件が報告されたと発表した。同時期の全副作用報告件数(11万23件)の2.2%にあたる。医薬品・医療機器等安全性情報(No.257)で公表した。
SJSとTENについてはこれまで00~05年の間に4回、副作用状況について注意喚起を行っている。今回は、05年10月1日~09年7月31日の約4年間について副作用状況をまとめた。それによると、回復・軽快1373件(57.9%)、未回復85件(3.6%)、後遺症あり84件(3.5%)、死亡239件(10.1%)、転帰不明など589件(24.9%)――となった。
報告数が多い薬効分類については抗生物質製剤(397)、解熱鎮痛消炎剤(364)、抗てんかん剤(267)など。成分別ではアロプリノール(161)カルバマゼピン(131)など。
厚労省はSJS、TENの発症はまれであるものの、いったん発症すると致死的な転帰をたどることもあるため重篤であり、医薬品を問わずに起こりうるとしている。そのため、医療関係者が患者に対し、報告件数の多い抗生物質製剤や解熱鎮痛消炎剤、抗てんかん剤などの医薬品を投与・販売するときには十分な情報提供を行うことが必要としている。
また、08年度のインフルエンザワクチンによる副作用報告が121例166件に上ったと発表。死亡は2例で、両症例ともに因果関係については評価できないとした。ワクチンの推定使用量は約2451万本。