小野薬品 過敏性腸症候群治療薬アシマドリンを導入 (1/3)
公開日時 2009/09/03 04:00
小野薬品は9月2日、米タイオガ社から過敏性腸症候群治療薬アシマドリン(一般名)の日本・韓国・台湾における独占的開発・販売権を取得したと発表した。小野薬品は日本で10年上半期中にもフェーズ1試験を始める。契約金などは非開示。過敏性腸症候群治療薬は日本でも複数品目が上市されているが、小野薬品は、同症候群はアンメットメディカルニーズ(UMN)が高く潜在患者数も多い疾患と判断し、導入を決めた。
過敏性腸症候群は緊張や不安、ストレス、不規則な生活などが原因で腸が過敏になり、腹痛、腹部不快感、便通異常などを引き起こす疾患。同症候群の日本の市場規模は現在約100億円(薬価ベース)。しかし、日本人の成人の有病率は12.5%や15.5%との報告があり、この報告を踏まえると患者数は約1200万人~1400万人の巨大市場と推計されている。
アシマドリンは経口投与タイプの低分子化合物。消化管の痛みや運動に関与しているとされるオピオイド受容体のなかのκ受容体に選択的に作用し、様々な腹部症状を改善する。タイオガ社が米国で実施したフェーズ2b試験(被験者約600人)では有意な治療効果を示し、中等度以上の腹痛を訴える下痢型過敏性腸症候群患者の腹痛・腹部不快感、便意切迫感を改善し排便回数を減少させた。安全性は特に問題となる有害事象は認められなかったという。