新型インフルエンザ 妊婦は入院リスクが増加
公開日時 2009/07/30 04:00
新型インフルエンザ(H1N1)により入院するリスクが、妊婦では高まることが分かった。米国のNational Center for Chronic Disease Prevention and Health PromotionのDenise J Jamieson氏らの研究グループが報告した。この結果は、「The Lancet」のオンライン版に19日、掲載された。
Jamieson氏らの研究グループは、米国・疾病対策予防センター(CDC)に、新型インフルエンザと診断または可能性が高いと報告された妊婦の症例について解析した。解析期間は、新型インフルエンザの発生が報告された4月15日~5月18日までの約1カ月間。
この期間に、全米13州から新型インフルエンザと診断、または可能性が高いと報告された妊婦の症例は34例あった。このうち、入院は11例あり、入院患者率は0.32/10万人だった。これに対し、妊娠していない症例では、0.076/10万人だったことから、研究グループは、「新型インフルエンザの発生から1ヵ月間のうちに罹患した妊婦では、入院する割合が高い」とした。
また、発生から2ヵ月で新型インフルエンザに関連したとみられる妊婦の死亡は6症例報告された。いずれも肺炎の進展とそれに続く機械的な人工換気が必要な呼吸窮迫症候群に陥ったという。
これら結果から研究グループは、「このウイルスが、健康な妊婦に重大な疾患を引き起こす可能性がある」と分析。「新型インフルエンザに罹患したに妊婦に対し、現在推奨されている抗インフルエンザ薬による迅速な治療を行うことをサポートするもの」と結論づけた。