存在感薄いイノベーション 財源確保で翻弄された薬価制度改革案
公開日時 2007/12/31 00:00
中医協は12月14日、08年度薬価制度改革の骨子を了承した。現行の薬価制度を基本にして、これまで薬価専門部会で審議してきた変更を加えており、これから詳細な価格を決めていくもとになるものだ。イノベーションを促進するため有用な新薬の評価を高める一方で、既収載品に対しては厳しい内容となっている。新薬なければ変化なし骨子の内容は、業界の要求がほぼ通ったものと、厚労省側に押し切られたものとに分けることができる。業界が得たものは、なんといっても新薬の薬価算定時の加算率の引き上げと算定基準の緩和が大きい。新薬の補正加算でもっとも多数の品目に付けられてきた「有用性加算2」を、日薬連の要望どおりに上限を20%から30%に引き上げたうえ、「臨床上有用な新規の作用機序を有すること」という要件を加えることで、条件を...