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【ASH速報】BMT CTN Protocol 0201 非血縁者間末梢血幹細胞移植 骨髄移植と生存率同等も慢性移植弁対宿主病多く

公開日時 2011/12/14 06:00

 

非血縁者からの末梢血幹細胞移植(PBSC)と骨髄幹細胞移植の転帰を比較した、臨床第3相多施設無作為化試験(P3)「BMT CTN Protocol 0201」の結果、全生存(OS)と無病生存(DFS)は両群間に有意差はなく、慢性の移植片対宿主病(GVHD)がPBSC群で有意に多いことが分かった。米Moffitt Cancer CenterのClaudio Anasetti氏が12月11日、12月10~13日まで米サンディエゴで開催中の第53回米国血液学会(ASH)年次学会のプレナリーセッションで報告した。


急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病、骨髄異型性症候群、慢性骨髄疾患などの患者551例を対象に、1:1の割合でPBSC(273人)か、骨髄幹細胞移植(278人)の被験者群に無作為に割り付け、36カ月間(中央値)追跡した。主要評価項目は、ITT解析による無作為化後2年のOSに設定。この他、移植後のOS、DFS、急性および慢性GVHDなどを評価項目とした。


患者特性は、男性患者の割合が骨髄移植群60%、PBSC群54%、カルノフルキー・スコア90%以上は、それぞれ62%、56%、CMV陽性がそれぞれ90%、91%で、両群間に差はみられなかった。ドナーの特性も両群で差はなかった。



◎Anasetti氏「生着不全と早期の重度感染症のリスクが高い症例はPBSCが好ましい」


解析の結果、主要評価項目は骨髄移植群が46%に対しPBSC群は51%で、両群で有意差はなかった(p=0.288)。移植後のOS、DFS、非再発死亡率、再発も両群間で有意差はなく、予め計画していたサブ群での解析でも、評価項目と相関する因子はなかった。


PBSC群では移植後の生着が有意に早く、好中球で5日間、血小板は7日間早かった(どちらもp<0.001)。また生着不全は、骨髄移植群が9%だったのに対し、PBSC群では3%に留まり(p=0.002)、PBSC群が有意に低いこともわかった。


一方、GVHDは急性では群間差がなかったものの、慢性GVHDはPBSC群が有意に高く(p=0.014)、広汎型が骨髄移植群32%だったのに対し、PBSC群48%(p<0.001)、2年間治療を受けずに済んだ被験者の割合は、それぞれ57%、37%(p=0.026)であった。


死亡原因は両群とも再発が最も多く、骨髄移植群50%、PBSC群48%、次いでPBSC群では慢性GVHDが21%(骨髄移植群10%)、急性GVHDが17%(骨髄移植群14%)であった。


これらの結果からAnasetti氏は、「どちらの幹細胞移植も受容可能であるが、生着不全と早期の重度感染症のリスクが高い症例では、PBSCが好ましく、それ以外の症例は骨髄移植が適切な治療法かも知れない」とコメントした。また、リスクを低減する、より高度な移植アプローチが必要であるとともに、生着不全や、急性および慢性のGVHDを予防する臨床研究が望まれるとした。

 

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