ファイザー 禁煙挑戦者の6割超が禁煙失敗 たばこ増税後の追跡調査で判明
公開日時 2011/09/28 04:00
ファイザーは9月27日、2010年10月のたばこ税増税をきっかけに禁煙に挑戦した人のうち、6割以上の人が禁煙に失敗したとの調査結果を発表した。禁煙に失敗した人の多くが「自分の意志のみ」で禁煙に挑み、「禁煙中のイライラに耐えられなかった」という代表的なニコチン離脱症状で禁煙に失敗したことが判明した。禁煙の成功に、たばこ税増税だけでは困難な現状が浮き彫りになったと分析している。
この調査結果を受けて日本禁煙学会の作田学理事長は、「昨年のたばこ税増税は確かに喫煙者の禁煙意向を促進させたが、多くの喫煙者を成功に導くまでには至らず、禁煙サポートが必要な状況」とコメント。さらに、禁煙を成功させる一番効果的な方法として受診と禁煙補助薬による治療であると指摘した。
10年10月のたばこ税増税では、おおむね1箱あたり110円以上値上がりし、マイルドセブンで410円(改定前300円)となった。
◎喫煙者の3人に1人が禁煙に挑戦
ファイザーが今回実施した調査は、昨年のたばこ税増税前に行った「日本全国の“ニコチン依存度チェック”2010」の回答者9400人を対象に、インターネットで追跡調査したもの。追跡調査は11年8月24日~30日に実施し、6713人から回答を得た。
この6713人のうち禁煙挑戦者は2355人で、喫煙者の3人に1人が禁煙に挑んでいた。しかし、調査時点で禁煙していた人は907人にとどまり、この結果から禁煙成功率は38.5%(2355人中907人)、禁煙失敗率は61.5%(2355人中1448人)であることがわかった。
次に禁煙に失敗した1448人に禁煙方法や失敗の主な理由を聞いた。禁煙方法では「自分の意志のみ」が59.2%と最も多く、次いで「禁煙パイプなどの禁煙グッズ」が20.0%などと続き、手軽な方法で挑んでいた。禁煙の理由では、ニコチン離脱症状の「禁煙中のイライラに耐えられなかった」が47.3%と最も多く、「ストレスを解消したかったから」38.5%などが続いた。
一方、喫煙者5806人に、今後、どのようなきっかけであれば禁煙するかを聞いたところ、「さらにタバコの価格が上がったら」が半数以上を占め、このうち1箱700円まで値上げしたら禁煙を考える人は77.4%にのぼることもわかった。前述の作田理事長は「今後更なるたばこ税増税が実施されることを前提に、禁煙挑戦者が増えることを予測して希望者をサポートしていく必要がある。そのためには今回の調査で露呈したように、ニコチン依存症度の高い人には『自分の意志のみ』での禁煙を選択させないことが重要になる」としている。