医薬品マーケティング支援会社のエム・シー・アイ（MCI）が、ＭＲのデジタルリテラシー向上のための動画教材サービスの提供を開始した。ＭＲのデジタルチャネル活用において押さえておくべきポイントを、新人ＭＲと解説者の２人のアバターが対話形式でやり取りする。動画教材は同社が年４回まとめている医師5000人以上を対象とした「医師版マルチメディア白書」のデータを基に制作。まず、▽Web講演会前後におけるＭＲのチャネル活用編▽ＭＲ活動における医師とのメールコミュニケーション編――の２テーマを用意した。

動画教材は「医師版マルチメディア白書スタディ」と呼称する。１本あたり15分程度で、３章で構成されている。Web講演会編は、（１）Web講演会に対する医師のニーズとＭＲ、（２）視聴につながるWeb講演会の案内とは、（３）Web講演会後に取るべきＭＲの動き方――の３章仕立て。ＭＲがどのようなチャネルを用いてどのようにアプローチすれば視聴につながりやすいのか、またWeb講演会後の医師の情報ニーズに対してどのような行動が求められるかを、データを基にアバターが解説する。

メールコミュニケーション編は、（１）訪問規制下でのメール利用状況、（２）シーン、情報種類別のメール活用、（３）医師のニーズに合ったメールへの道のり――で構成。例えばプロモーションメールの開封率向上のコツや、Web講演会の座長をお願いするような製薬企業ならではの事務的な打ち合わせのメール内容などを盛り込んだ。

2023年度は新たに２コンテンツを用意する予定としている。

◎アバター採用で対話内容の微修正などのカスタマイズにも迅速対応

動画教材はMCIのサイトに用意した閲覧ページに格納され、ユーザーはこのサイトにアクセスして閲覧する。動画教材サービスは有料で、医師版マルチメディア白書を購読している製薬企業に対する付加サービスとして展開する。

今回アバターを採用した理由は、製薬企業からの動画内容のカスタマイズの要望に応えられるようにするためで、対話内容の微修正やスライドの追加などに迅速・容易に対応できるようにした。スライドの追加では、各章ごとのおさらいクイズや、自社デジタル部門の戦略が記載されたスライドの追加などを想定している。

MCIは、今回の動画教材を開発・制作した狙いについて、「ＭＲがデジタルチャネルの有用性を感じ、自ら積極的に活用できるようにするため」とコメント。コロナ禍を機に医師の情報収集方法やニーズが大きく変わっており、「この動画教材をきっかけに、活動の幅をより広げてもらう気づきにつながってほしいとの思いで開発・制作した」としている。