三菱ケミカルホールディングス（ＨＤ）の完全子会社となり、新たなスタートを切った田辺三菱製薬。三菱ケミカルＨＤは買収の目的として、“ヘルスケア事業×デジタル”を掲げる。ジレニアの特許切れが直撃する同社だけに、従来の製薬ビジネスを変革させ、データドリブンの新たなビジネスモデルの構築が急務だ。その先には、医薬品だけでなくアプリや診断支援などのアラウンドピルにも挑戦する。市場も日本に限定せず、同社がプレゼンスを有する諸国まで広がることも視野に入れる。こうしたビジネス変革に向け、清水良デジタルトランスフォーメーション部部長が口にするのは、人材の重要性だ。「データサイエンスの知識と、ドメイン（業務）の知識、両方を揃えた人材の育成が重要だ。そうでなければ、バリューチェー...