中医協 新型コロナ感染拡大に伴う在宅医療への対応 電話診療でも在医総管等の算定可に
公開日時 2020/04/27 04:51
中医協は4月24日、テレワーク形式で総会を開催し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う在宅医療における臨時的対応について議論した。在宅医療の現場において、患者や家族から医療者の訪問を控えるよう要請される事案があることに対応するため、電話等による診療を実施することで、在宅時医学総合管理料(在医総管)及び施設入居時等医学総合管理料(施設総管)を算定できるようにする。薬剤師による訪問薬剤管理指導についても、臨時的・特例的な対応として電話等による薬学的管理指導を行った場合、薬剤服用歴管理指導料を算定できるとした。
新型コロナウイルスの感染が拡大により、在宅医療の現場において、患者や家族から訪問を控えるよう要請される事案が中医協にも報告されている。このため今年3月に在医総管等のうち「月2回以上訪問診療を行っている場合」を算定していた患者について、4月以降について「訪問診療」+「電話診療」や、「電話診療」+「電話診療」のケースについて、月2回訪問の在医総管等を算定することを特例的に認めることとした。さらに、5月以降の特例的な対応として、2か月以上連続で、「訪問診療1回」+「電話等再診1回」となった場合について、2か月目以降は、診療計画を変更し、月1回訪問の管理料を算定できるとした。
また、3月に在医総管等のうち「月1回訪問診療を行っている場合」を算定していた患者について、これまでは訪問診療を実施せず、電話診療のみで再診を行った場合、在医総管等の算定が不可だったものを、4月診療分に限り月1回訪問の在医総管を特例的に算定できるとした。
◎電話等による薬学的管理指導は「薬剤服用歴管理指導料」を算定
このほか訪問薬剤管理指導について臨時的な対応を議論した。通常は、患家を訪問せず、薬学的管理指導を行った場合は在宅患者訪問薬剤管理指導料が算定できない。これを臨時的・特例的な対応として電話等による薬学的管理指導を行った場合、薬剤服用歴管理指導料を算定できるようにする。具体的には、調剤及び電話等による薬学的管理指導を行う場合は、「調剤技術料」+「薬剤料等」+「薬剤服用歴管理指導料」を算定する。また、調剤した医薬品について電話等による薬学的管理指導を行う場合は、「薬剤服用歴管理指導料」を算定する。
◎PICU、NICUも診療報酬は倍額に 事務連絡で対応
診療側の松本委員(日医常任理事)は、前回4月17日の中医協総会で重症の新型コロナウイルス感染症患者に対する診療報酬上の措置として、救命救急入院料、特定集中治療室管理料又はハイケアユニット入院医療管理料の倍額が認められたことに関連し、PICU、NICUについても同様の評価とすべきと厚労省に求めた。
これに対し厚労省保険局医療課の森光課長は、「重症患者についての診療について、小児についてもこの対応に含まれる。特定集中治療室等との同様の取り扱いになると考えている。誤解のないよう、事務連絡で明確化する」と述べ、対応する考えを表明した。