Meiji Seikaファルマ がん治療薬「HBI-8000」の独占的販売・ライセンス契約締結
公開日時 2020/01/10 04:50
Meiji Seikaファルマは1月9日、米国のバイオ医薬品開発メーカー・HUYA Bioscience International,LLC(本社:米国カルフォルニア州)とベンズアミド系の経口投与剤として開発中の「HBI-8000」(開発コード)に関する独占的販売およびライセンス契約を締結したと発表した。締結日は12月10日。経営計画の「明治グループ2026ビジョン」で、成長・改革領域の1つに血液がんを掲げるなか、血液内科領域におけるアンメットメディカルニーズを充足させることが狙い。
契約の締結により同社は、日本において同剤を独占的に販売する権利と、韓国やタイなどアジア7か国において、同剤を独占的に開発、販売する権利を獲得した。契約に基づき同社は、HUYABIOに対して契約一時金や、開発段階と上市後のマイルストンおよびロイヤリティーを支払う。
◎国内ではATLLの申請準備中 PTCLはフェーズ2実施中
同剤は、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)を阻害するベンズアミド系の経口投与剤。腫瘍細胞の増殖停止、腫瘍免疫力の強化、がん微小環境に係る数種類のタンパク質の発現に作用し、免疫チェックポイント阻害剤を含む他の抗がん剤の効果を高める作用があることが示されている。
同剤をめぐっては国内で、再発・難治の成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)の適応取得を目指し申請準備中であるほか、再発・難治の末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を対象に臨床第2相試験を実施中。
Meiji Seikaファルマでは、これまで白血病の治療に用いられる抗悪性腫瘍剤「ダウノマイシン静注用」・「テラルビシン注射用」などのほか、抗菌薬など血液内科領域で必要とされる治療薬を開発・提供してきた。1月7日には、米バイオ医薬品会社のカドモン社が開発している慢性移植片対宿主病(慢性GVHD)治療薬「KD025」(開発コード)について、日本及びアジアでの開発及び商業化で提携すると発表。血液内科領域におけるアンメットメディカルニーズの充足に向けた取り組みを進めている。