薬食審・第ニ部会 NBIのスピリーバに「気管支喘息」の適応追加へ
公開日時 2014/10/28 03:52
厚労省の薬食審医薬品第ニ部会は10月27日、新薬など3製品の承認の可否について審議し、いずれも了承した。この中で日本ベーリンガーインゲルハイムのスピリーバの適応に「気管支喘息(重症持続型の患者に限る)」を追加することになった。
承認が了承された製品は以下のとおり。
【審議品目】(カッコ内は成分名と会社名)
▽スピリーバ2.5μレスピマット60吸入(チオトロピウム臭化物水和物 日本ベーリンガーインゲルハイム):「気管支喘息(重症持続型の患者に限る)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解」を効能・効果に追加する新効能医薬品。再審査期間4年。
同剤は気管支収縮抑制作用を持つ長時間作用型抗コリン薬(LAMA)で、COPDの適応で10年1月に承認されている。喘息患者の約4割は症状のコントロールが不十分とされ、今回追加が了承された適応は、通常の治療を行っても症状があり、喘息の症状が週1回以上起こるような「重症持続型患者」が対象で、この適応が承認されれば治療選択肢が広がることになる。用法・用量はCOPD同様に1回2吸入を1日1回。8月現在、同剤について海外で気管支喘息の適応では承認された国はなく、欧州で承認審査中という。
▽リクスビス静注用250、同500、同1000、同2000、同3000(ノナコグガンマ遺伝子組換え バクスター):「血液凝固第9因子欠乏患者における出血抑制」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外では、米国、プエルトリコ、オーストラリア、スイスで承認済み。欧州などで承認申請中。
血液凝固第9因子が不足する血友病B患者用の薬剤で、定期的な投与も用法・用量で認められている。遺伝子組換え製剤は、血液由来製剤より感染症リスクが低いとされるが、日本には血友病B用の製剤は2つあり、治療選択肢の1つとなる。日本の患者数は約1000人。
▽コムプレラ配合錠(リルピビリン塩酸塩、テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩、エムトリシタビン ヤンセンファーマ):「HIV-1感染症」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間はエジュラント錠(リルピビリン塩酸塩)の残余期間(平成34年5月17日)。海外では欧米など60の国、地域で承認済み。
これまで複数の錠剤を服用しなければならなかった患者は、同剤の場合1日1回1錠で服用することができ、服用の負担を軽減することができる。
【報告品目】(カッコ内は成分名と会社名)
▽バルトレックス錠500、同顆粒50%(バラシクロビル塩酸塩 グラクソ・スミスクライン):「成人及び小児の造血幹細胞移植における単純ヘルペス感染症(単純疱疹)の発症抑制」「小児における単純疱疹・帯状疱疹・性器ヘルペスの再発抑制」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。
小児への適応については、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で開発の必要性が高いと判断され、同省からの開発要請を受け、GSKが成人の治験も行い、その結果に基づき承認申請していた。今回、適応の追加とともに用量も新たに設定することになった。小児には水痘(みずぼうそう)以外の適応がなかった。
<訂正>(10月28日20時)
スピリーバについて下線部を訂正しました。