米国発 授乳指導も医療保険でカバー:画期的なオバマケア
公開日時 2013/06/06 05:00
あまり報じられていないのだが、オバマの医療改革法(いわゆるAffordable Care Act)は周産期ケアに手厚い。とくに、従来あまり奨励されて来なかった「母乳」による育児の奨励に力を入れている点はきわめて新しい。(医療ジャーナリスト 西村由美子)
具体的には、母乳育児の専門指導者(lactation consultant)によるコンサルテーション経費および搾乳器の購入が、2014年からは医療保険から支払い償還されるようになる。もちろん、いずれも現在は私費扱いで、保険はカバーしない。ちなみにコンサルテーションは$250、使い勝手の良い搾乳器は$400と、米国では非常に高価である。
これらを医療保険でカバーする理由については、母乳には乳幼児の免疫力を高めル予防医療的な役割が高く、特に乳幼児の耳の感染症発症率や、突然死の発生率が母乳の子どもでは有意に低いと説明されている。
子どもに手厚く、予防医療を重視するオバマ大統領の医療改革法とはいえ、母乳奨励に医療保険のカバーがつくのはアメリカの医療保険史上初めての画期的なできごととなる。母乳による授乳指導の専門家の集まりであるU.S. Lactation Consultant Associationは、予想される需要の急増にどう対処すべきか、まだまだ計画しきれていないという。
http://www.ilca.org/i4a/pages/index.cfm?pageid=3509