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大日本住友製薬 東北支店 秋田営業所 鈴木 草介 氏

公開日時 2018/01/31 00:00

患者の生活見据えベストな提案目指す

アイデアを育むチームが支えに

 

大日本住友製薬
東北支店 秋田営業所
鈴木 草介 氏

 

大日本住友製薬の鈴木草介氏は、実は「MR-1コンテスト」への挑戦は2度目。前回(第2回=2015年=)は予選落ちしたが、今回は決選に進み、優秀賞を受賞した。MR歴4年目の26歳、前回より自信を持っての応募だったが、結果には悔しさが残ったという。しかし、「その悔しさが今後の活動に向けた第一歩になった」。東京生まれの鈴木氏は、初任地の秋田で著しい人口減少と高齢化の中での医療を目の当たりにし、きれいごとでは済まされない患者・家族の置かれた生活環境まで見据え、担当医とともにベストな提案を模索する。(インタビュアー 酒田 浩)

 

コンテスト結果「悔しかった」
新たな一歩踏み出す

 

――決選出場者の8人のうちの1人。優秀賞でした。反響は。

 

鈴木氏 他のメーカーのMRさんからも声をかけられることが増え、思ったより反響が大きかった。他のMRさんから情報を得たのだと思うが、得意先の先生に喜んでいただいたのがとても嬉しかった。普段から応援してくださっていたことを、改めて認識する機会になった。

 

 

――コンテストに出場した経緯は。

 

鈴木氏 入社時(2014年)から取り巻く環境は厳しかった。MRとしてこの先を生き残る姿を描き、自分の力を試してみたいと思った。そして参加する他のMRの方々から刺激を受け、スキルのみならずマインド面も含めて吸収したいと考えた。

 

実は2015年の第2回コンテストに応募している。予選で落ちてしまったが、今回は、前回よりは自分に自信があったし、生き残るMR像について語れると思ったので、またチャレンジした。

 

 

――参加してみてどうだったか。

 

鈴木氏 実は決選に出る前「自分は出来ているなー」なんて気持ちがあった。でも決選に出場された他の7人のMRの皆さんはすごい方ばかりだった。とはいえ、決勝の2人には残れず、正直悔しかった。

 

 

――決選で行われた薬剤師(杏林大学薬剤部の若林氏)を相手にしたロールプレイングでは、自社の製品が患者さんに合わないと判断し、使用しない方がいいときっぱりと伝え、他社製品を勧める姿が印象的だった。

 

鈴木氏 他の製品の方がお勧めできる場合はそうするスタンスに変わりはないが、他のMRの方は、先生に患者さんの背景など丁寧に聞き取っていたと思う。私も、もっと先生や患者さんの背景に興味を持って、聞き取る姿勢が必要だったと反省した。でも、それが今の活動に生きている。あの悔しさが今後の活動に向けた第一歩になった。

 

 

先生方の「地域愛」に応える一員でありたい
チームのディスカッションを活かし提案

 

――具体的にはどういう活動か。

 

鈴木氏 木島所長は、私たちに「近未来MRの目指すべき姿」を示している。「MRとして医療に貢献をしたい」という姿勢を前提に、「担当医療圏で日々起きている様々な問題を認識し、患者さんの生活に興味を持ち、その上で提案をすること」。

 

先生方は、この地域の医療をより良いものにし、地域の患者さんにより良い治療をしたいと、「地域愛」に溢れている。そこには決して他人事でいられない事情がある。例えば、ポリファーマシーや認知症の患者さんとそのご家族の支援に、先生方は本当にご苦労されている。その中で、自分はどうお役立ちできるのか。

 

ある先生から、認知症で2型糖尿病も抱えている患者さんがいらっしゃるとお聞きすることがあった。診察に一緒に来る息子さんも十分なサポートができないとのこと。そこで、私たちができることを考え、弊社が扱っている2型糖尿病治療薬トルリシティ(GLP-1受容体作動薬)だと、投与は週1回、使用法も簡便なため、息子さんのサポートの範囲で使用が可能ではないかと提案させていただいたことがある。

 

患者さんの生活環境まで見据えて、先生と共にベストな提案を模索する「近未来MR」像を実践することは、他とは一線を画す営業集団になりうる取り組みと考えており、私も地域、患者さんの生活に根差した、深い提案をしたいと考えている。

 

まだまだやれることは多いし、どこまでも突き詰めていかなければならない取り組みだと考えている。木島所長を含め営業所内では盛んにディスカッションをする。現状の課題に対し、現行ルールの範囲内で、どんな解決のお手伝いができるのか、話し合っているうちに、こんなことが良いのではないかなど、いろいろなアイデアが出てくる。良いチームに支えられていると思っている。

 

 

――近未来MR像を実践するために心がけていることは

 

鈴木氏 2つある。1つは、仕事に限らず、誰からも愛される人間になること。木島所長からは「惻隠の情」を持ちなさいと言われている。相手を思いやって接しなさいということだが、その上に信頼関係が築かれると考えている。

 

もう1つは、そういう気持ちを形にすること。MRとしてなら、先生の治療方針を把握して、患者さんの抱える事情を踏まえてディスカッションし、実際にお役立ていただく。それが患者さん、そのご家族の喜びにつながると思う。

 

それらを実践することで、私が目指す「先生が困った時に最初に相談されるMR」になれると思う。それが薬物治療のパートナーとしての姿だと思っている。

 

 

MRはAIの使い手
提案力、実践力を強化できる

 

――「最初に相談されるMR」は、コンテストにおいて今後のMR像をテーマにしたプレゼンで主張された。また、AI時代を見据え「MRとAIとは共存すべきもの」とも指摘された。

 

鈴木氏 AIに頼れるところは頼って、私自身は、先生と共に、患者さんの生活環境や過去の経験を踏まえたディスカッションをしたり、地域の課題に対し先生同士をつなげて知識や知恵、解決策を共有できるようにしたり、より対人の活動に力を入れることができる。それこそがMRの仕事であると信じている。先ほど述べた「最初に相談されるMR」にもつながる。

 

 

――3年後の2020年、どんなMRになっていたいか。

 

鈴木氏 MRは、先生方とお会いし、患者さんの背景を踏まえて話し合いをし、抱える課題の解決を支援するという活動のベースは大きく変わらないと思っている。そこにAIなど便利なツールが導入されるのなら、それを使いこなしてベストな提案に持っていくということになるだろうと思う。

 

今の担当エリアは比較的、医療圏内で完結していることから、担当者としての責任の大きさを感じている。病院も担当しているので、重症感染症の治療薬やがん関連の治療薬の情報活動も行っており、勉強と経験を積む機会には恵まれていると思うが、今後は特定機能病院の担当をしてみたいとも思っている。波及力が大きく、それだけに総合力、マネジメント力も要求される担当だが、挑戦したい。

 

加えて海外に関わる仕事にもチャレンジしてみたい。

 

プロフェッショナルを相手にする仕事なので、勉強はしつづけなければならない。それなしには、自分の成長がないだけでなく、プロフェッショナルな先生方にご納得いただく活動はできないと思っている。

 

 

鈴木さんの上司
大日本住友製薬 東北支店秋田営業所所長・木島千裕氏からコメント

 

鈴木さんは、常に「医療に貢献するMR」を目指してアクティブに活動していますね。秋田営業所のスローガン「秋田をもっと元気にする!」をどうしたら具現化できるのか? 彼は、顧客に寄り添い、感じ、考えています。ニーズに応える提案がどんどん湧いてきます。それをチームで話し合いながら、当社の製品を通じて医療貢献を果たす仕組みを作っていく。MRは想いを形に叶えていく仕事です。毎日がワクワクの連続ですね。近未来MRの目指すべき姿「秋田モデル」をこれからも作っていきましょう。

 


鈴木草介さん:2014年4月入社。同年10月から秋田営業所に所属。秋田県北部の「能代・山本」(能代市など)と16年4月からは隣接する「北秋田」(北秋田市など)のエリア担当。いずれも人口急減地域で、高齢化率は2020年に40%超と推計される地域。東京都八王子市の生まれ、大学も地元の中央大学で、初任地の秋田は当時行ったことがなく正に「みちのくに」だったというが、先生方の影響や秋田が8年目になる木島所長の影響が大きいのか、「秋田愛」がのぞく。4度目の冬。アイスバーンに時に怖い思いをしながらも営業車を走らせる。

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