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サノフィ糖尿病・循環器営業本部 東京・千葉支店千葉営業所 上杉 航大 氏

公開日時 2017/11/30 00:00

地域医療の“つなぎ役”に注力

常にクイックレスポンスを心掛ける!

 

「MR-1コンテスト2017」で準優勝に輝いたサノフィの上杉航大氏をインタビューした。入社5年目という若手MRでありながら、常にチームのことを考え、営業所を下支えする“牽引役”を自らかってでる。日々のMR活動では、千葉県市原市を担当し、糖尿病を通じた医療者同士の地域医療連携の“つなぎ役”となるべく、学術講演会を年数回企画している。取材中も笑顔を絶やさず、医師やコメディカルの懐に飛び込もうと熱く語る姿は、彼の好感度をアップさせる妙技と言えそうだ。そんな上杉氏にMR-1コンテスト以降、自身に起こった変化と、将来の夢について語って頂いた。(インタビュアー 編集長・沼田 佳之)

 

 

自分の意識としてMR活動を考えるようになった

 

 

――今回のMR-1コンテストに参加した感想から聞かせてください。

 

上杉氏 正直、準優勝に選ばれた時は本当に嬉しかった。今回のコンテストでは3年後の自分というプレゼンテーションの「お題」を頂いたが、これについては、やはり普段から考えていないと難しいと感じた。その意味で、コンテストを経験したことで、自分の将来を考えるきっかけになったことは間違いない。特にMR-1コンテストのテーマに掲げられた地域医療や医療連携について、これまで以上に深く考えるようになったことで、自分の意識として、これが日常のMR活動に大きく影響するようになった。

 

 

――コンテストは惜しくも準優勝だったが、その反響は?

 

上杉氏 反響の大きさに驚いた。社内の先輩や同僚から、「おめでとう!」、「よく成長したね!」と声をかけてもらうことが沢山あった。それよりも驚いたのは、社外の同じエリアや病院を担当する他社MRさんからの反響が大きく、これまで話をしたことの無かった他社のMRさんからも声をかけて頂くなど、その反響に正直びっくりした。

 

 

「ナンバーワンMRから学ぼう」をテーマに講師も

 

 

――社内では何かイベントなどあったのですか。

 

上杉氏 すぐに社内報で紹介して頂いた。私の所属する東京・千葉支店では、30歳以下の若手MRによる勉強会が12月中に予定されており、「ナンバーワンMRから学ぼう」というテーマで講義することになっている。

 

 

――ご自身のMR活動に何か変化はありましたか。

 

上杉氏 これまでは漠然と地域医療を頭で理解していたのだが、今回のコンテストを契機に、実際のMR活動を通じ、医師やコメディカルとの会話の中で意識するようになった。私自身として、“気づき”を得たことは大きい。特に、医師やコメディカルの方々の悩みや課題などを、より深く考え、一緒に解決策を考えるようになったことは、MR活動に極めて大きく影響していると思う。

 

 

学術講演会を企画、医療者
同士をつなぐ活動に注力

 

――いまも地域医療のお話が出ましたが、上杉さんが心掛けている日常のMR活動について教えてください。

 

決勝戦は横浜内科学会・小野会長とのロールプレイ

上杉氏 私自身はいま、医療従事者向けの学術講演会を企画して、実施することに注力している。この学術講演会は、医師限定でないところがポイント。私は千葉県市原市を担当しているが、様々なデータをみるなかで、病床数が不足していたり、医療従事者が全国に比べると少なかったりと、医療資源という面で、この地域が課題を抱えていることに気づいた。

 

一方で担当エリアの医療機関への訪問を通じ、市原市で糖尿病に興味がある、糖尿病に接したことがある、あるいは糖尿病の療養始指導に関わっているスタッフが意外に少ないことに気づいた。今回のMR-1コンテストでも地域包括ケアシステムの構築がテーマとなった。私自身も、この地域包括ケアシステムの最大の目標が、在宅医療にフォーカスしていることを学び、これを実現するような地域医療への貢献が自身のMR活動の中で出来ないかを考えた。

 

そこで始めたのがコメディカルを対象とした学術講演会だ。これを実現するには、1人の医師だけ、あるいは特定の薬剤師だけが糖尿病について詳しければ良いという発想ではない。やはり、市原市の課題であるマンパワーの不足を補うためには、多くの医療従事者に向けた学術講演会を開催することで、糖尿病に興味の無かった方に対しても、糖尿病を通じて地域医療連携の第一歩を踏み出して欲しいと考え、それをサポートしたいと考えた。

 

 

――学術講演会を企画すると言われたが、その企画はどうされているのか。

 

表彰式で喜びを語る上杉さん

上杉氏 もちろん相談する医師がいて、その企画の運営に携わっている。市原市を中心に、糖尿病の理解とよりよい患者指導を目指して活動している医療従事者の方々。学術講演会への演者の招聘などで本社や支店、営業所長に協力を求めることもある。これまで学術講演会は2016年4月から4回開催した。参加者は、医師、看護師、検査技師、薬剤師、栄養士、医療事務など多岐に及ぶ。大きなテーマは糖尿病の療養指導。60人程度が参加しており、テーマに沿って情報交換している。前回の食事療法をテーマにした時は、栄養士の方から実際の献立を見せて頂き、これをもとに意見交換するなど、交流の場として活用して頂いている。

 

 

――学術講演会を通じ、地域でよい成果や効果は生まれていますか。

 

上杉氏 糖尿病に興味を持つコメディカルの方が増えてきたことは一つの成果ではないかと思う。前回の学術講演会に参加した医療関係者60人中、3割の方が初めて参加した。それだけでも、地域医療に対して一歩を踏み出す場を提供できたと感じている。

 

 

――MRを取り巻く環境も大きく変化している。上杉さんはMRの仕事を率直にどう考えているか。

 

上杉氏 MRの仕事は2つの側面に分けられる。まず一つ目は医薬品の適正使用を目的とした情報提供。2つ目が地域医療への貢献だと思う。まず一つ目の情報提供という面では、今回のMR-1コンテストを受けて刺激を受けた部分がある。情報提供の量や処方提案の質がここまでAI(人工知能)が進んでいるとは思わなかった。慈恵医大では救急搬送されてきた患者さんの治療方針にAIが活用されている。東大医科研病院も画像診断などでAIを活用している。もちろん人間でしかできない部分はあるが、この情報提供の分野は今後の技術革新の中で急速に発展するように感じる。

 

一方で地域医療連携の部分に関しては、AIが発展しても、ここは人間にしかできないと思う。すなわち人同士をつなぐ活動は人間にしかできない。とすれば今後のMR活動を考えると、地域医療において、医療者をつなぐ活動というのは、今後のMR活動の軸になっていくのではないかと感じている。

 

 

医師のニーズにクイックな対応を

 

――MR活動をさらに発展させていくために、何をなすべきか?

 

コンテストファイナル、審査員の先生を前にプレゼンテーション

上杉氏 病院の訪問規制が厳しくなり、医師側も営業活動に対するアレルギーを持つようなことが多いのではと感じることもある。確かにMR不要論という言葉も聞かれるが、私個人で言えば、私自身が医師や医療者から不要と言われなければ良いのではないかと考えている。私自身、決してカッコいい取り組みをしているわけでないが、MR一人ひとりが、誰でもやっているような活動に止まらず、自分の付加価値をつける取り組みや意識を持つことが重要なのではないか。もちろん業界ルールを前提としたものであることは言うまでもない。金太郎飴にならないMRを意識すれば、医師や医療者に価値を提供でき、信頼されるMRになれるのではないか。

 

例えば、医師の質問に対し、クイックに回答すること。自分の知識で回答できない場合であったとしても、その場で臨機応変に対応し、正確かつ迅速にクイックレスポンスできるよう常に務めている。

 

 

――東京オリンピックが開催される3年後、2020年に、自分はどんなMRになっていると思うか?

 

上杉氏 当面は大学病院担当者を目指したい。いまは市原市を担当しているが、大学病院の担当となると、もっと地域への影響も大きい。仕事の幅も、もっと拡がりがあると想像している。まずは、地域医療に対して貢献したい。そのほか、私自身5年目のキャリアしかないが、営業所を引っ張れる人材になりたいと考えている。具体的には、ボトムアップの役割を担ってみたい。やはり「あっ上杉さんだ!」と言われるような、頼られる人間になってみたいと思う。


 

――最後に全国のMRさんにメッセージをお願いします。

 

上杉氏 まだ大きなことを言えるような立場にはないが、MRということに捕らわれずに、自分としての付加価値をつけていくことが重要だと思う。地域医療への貢献は、それぞれ様々だと思う。私自身はクイックレスポンスを付加価値として出していくことを大切にしているが、MRそれぞれが何か意識して付加価値を見出すべきだと思う。そこにMRの価値が見いだされ、MRという職能がもっと高くなり、真の地域医療に貢献できるMRが増えてくるのではないだろうか。

 

 

 

上杉さんの上司
サノフィ東京・千葉支店千葉営業所 安武秀政所長からのコメント

 

一言で言えば、よく勉強している。自社製品に止まらず、周辺知識や競合品のことまでよく理解して、医師のニーズに応えている。私もよく同行することが多いが、その際にも、自分自身がもっと勉強しなくてはと思いながら、学ばされることも多い。

 

自分の成功事例については、すぐに持ち帰り、メンバーや支店の中で共有化してくれる。医師の質問に対し、こう答えるべき、こう答えてはいけない、など、正確な答えをもって情報を共有化してくれている。

 

将来について本人は大学病院担当を目指している。課題はいくつかあるが、決してハードルは高くないと思う。それを乗り越えて欲しい。まずは、そこを目指すことになる。

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