良寛という生き方
公開日時 2017/09/20 05:00
情熱的読書人間榎戸誠【良寛】私は、良寛の生き方に憧れている。良寛のように何もかも捨てて暮らすという境地にはとても達することはできないが、良寛の考え方と行動に触れるだけでも、心が和らいでくる。『良寛行に生き行に死す』(立松和平著、春秋社)の前半で良寛の生涯を辿り、後半で良寛という生き方を知ることができる。【生涯】「16歳で元服した(名主の長男)栄蔵(良寛)は、狭川塾で学びながら、遊女屋に出入りして遊蕩の味を覚えたとされている」。「栄蔵は出家をして良寛を名のる。その出家の年齢については、18歳と22歳説がある」。「良寛が円通寺で修行したのは、22歳から34歳までである。良寛は友と交わらず、門前の賑わう街には托鉢に出るくらいであった。一途に禅修行をした」。「天明8(1788)年8月15日、良寛は国...