【速報】バイエル薬品・プリンツ社長 抗凝固薬・イグザレルトの患者調査問題で謝罪 3か月間10%減俸

公開日時 2017/07/14 19:50
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抗凝固薬・イグザレルトの患者調査についてMRなどの不適切なカルテの閲覧があったことに端を発した問題で、バイエル薬品のハイケ・プリンツ代表取締役社長は7月14日、東京都内で記者会見に臨み、「深くお詫びするとともに根本的な要因を確実に取り除く」と謝罪した。また同時に再発防止を徹底する考えを明言した。今回の事態を受け、プリンツ社長とバイエルホールディングのハンスディーター・ハウスナー代表取締役社長は、3か月間、10%の役員報酬を返上する。一方で、調査で企画や論文の下書きを行った当時のプロダクト・マネージャー(現・メディカル・アフェアーズ)やMRなどの処分、処遇については今後検討するとして明言を避け、「私は社長として全面的に責任を担いたいと思っている。経営陣とともに再発防止に努めていく」と述べるにとどめた。

この問題は、宮崎県内の診療所1施設で実施された患者調査について、MRや営業所長など3人の社員が不適切にカルテを閲覧したことから発覚。イグザレルトの処方を目的として、当時のプロダクト・マネージャーが患者調査を企画立案、データ集計、論文執筆などにかかわったことが明らかになっている。

この日は、ドイツ本社の依頼による外部弁護士による調査チームの報告書が公開された。調査結果によると、今回問題となった患者アンケート調査は、「講演会(2012年7月10日)、座談会(同年9月1日)、講演会(13年4月16日)における医師1名による講演資料およびアンケート調査の考察論文へのデータ提供が目的だった」と結論づけた。

この調査は、30症例あまりの小規模なエビデンスながら、同剤の特長である“1日1回1錠”のキーメッセージを強力に発信する礎となった。さらに、同社の社内体制について、「メディカル部門などのチェック機構が働かずにプロマネが自社の販売戦略を得られるであろうという想定の下でアンケート調査の質問項目を作成する等、医学的な調査・研究の価値や客観性・信頼性を毀損しかねない態様での関与が行われた」と指摘。データの集計に関しても、限られたものでのみ行われており、ダブルチェックも行われていなかった、いわば“ずさんな調査”だったことを指摘している。

◎プリンツ社長 ガイドラインや体制の整備で再発防止に取り組む

プリンツ社長は会見で、「バイエル社内の徹底した内部基準やコンプライアンスポリシーが存在していたにもかかわらず、不備があった。データの取り扱いについて不徹底が明らかになった」と述べ、社内でのガイドラインや体制の整備をはかり、再発防止に向けた取り組みを徹底する考えを示した。

プリンツ社長は問題点として、①患者情報の不適切な取得、②副作用症例の報告遅延、③学術活動における倫理上の課題―があったと説明。個人情報保護法や副作用報告などについて社内教育を徹底する考え。個人情報保護については、担当者を3人置くなど、体制を整備し、社内教育を徹底する。

一方、研究の実施や論文化など学術活動については、「活動のいくつかが、関連法令や社内のメディカル・アフェアーズ部門のガイドラインに準じていなかったことが確認された。結果として、データ集計時の複数の集計ミスが生じ、正確性を欠いた結果となった。正確性を欠いたデータが資料に転載された」と述べた。今後は、責任部署の明確化を行うほか、アンケート調査に関する手引書を作成する考え。アンケート調査の計画、承認、実施及び調査結果の手法に関する社内規定も作り、体制整備を徹底する。また、営業部門の講演会資料の作成のサポートを禁止するほか、プロモーション資材の管理も徹底する。

同調査については、30例という小規模である結果を製品情報概要に掲載したことも問題視されたが、同社の循環器領域事業部血栓症領域の早﨑剛典マーケティング部長は、「30例程度のアンケート調査について、製薬協からもエビデンスレベルに使うことはいかがなものかという指摘を受けている。レビュープロセスを徹底していきたい」と述べた。

現在、同調査については、医薬品医療機器等法66条違反の疑いももたれている。調査報告では、ずさんな調査であるが、イグザレルトに必ずしも有利になるような改ざんはみられないとして、薬機法違反には該当しないと結論付けている。

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