サノフィ株式会社 高尾 祐樹 さん

公開日時 2017/03/31 00:00
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相手の立場を想いやる姿勢に医療従事者が共感

 

サノフィ株式会社
糖尿病・循環器ビジネスユニット
循環器領域営業本部 
首都圏支店 神奈川第2営業所
高尾 祐樹 さん

 

2011年入社、12年から 神奈川営業部 横須賀営業所 配属 。14年から 東京・神奈川支店 神奈川第1営業所 に配属され、横須賀市を中心に基幹病院・GP・調剤薬局を幅広く訪問した。15年から北里大学病院をはじめ、基幹病院を担当、PCSK9阻害薬・プラルエントの情報提供に注力する。大学院では、知的障害者などが描く「アウトサイダーアート」の西洋美術を学んだ。医師とも美術の話で盛り上がる一面も。

 

本コーナーは、年に1回、“医療への貢献”をテーマにナンバーワンMRを決めるMR#1コンテストのファイナリストの日常のMR活動の中から、医療従事者から評価されるポイントを探ります。

 

「相手が求めていないことに対して、無理やり動いていることに違和感がある。望んでいると気づいていないようなことを問いかけることで気づいていただき、一緒に課題を解決していくという流れが理想的」――。サノフィの高尾祐樹さんはこう語る。基幹病院と門前薬局との薬薬連携構築をサポートした経験から、自社製品だけの情報提供ではない切り口の重要性を学んだ。自身の気持ちひとつで、自社製品だけでなく、広く医療従事者に貢献できることに気がついたという。高尾さんの常に相手の立場を想いやる、その姿が医療従事者からの共感、そして評価へとつながっている。(望月 英梨)

 

遡ること3年前の2014年春。高尾さんは悩んでいた。「自分が自信を持って薦められるものが売りたい」。そう考えた高尾さんは、長い年月と莫大な投資を経て生まれる新薬に魅力を感じて製薬業界の扉を叩いた。MRとなって3年が経過し、実績もついてきた。

 

しかし、である。「多くの営業、販促が、患者さんの医薬品の選択につながることに違和感を覚えた」と高尾さん。MRとして売上目標が課される中で、自社製品の情報提供を行うことが医療従事者、そして患者に貢献できているのか――。高尾さんは、売上達成と医療貢献の狭間で、もがき、苦しんでいた。

 

 

薬薬連携で気づいた
製品以外の切り口

 

そんなある日のこと。当時担当していた国家公務員共済組合連合会横須賀共済病院の薬剤部が薬薬連携に関心を持っていることをMSから聞いた。早速、薬剤部長のもとに急いだ。外来化学療法に積極的な同院では、抗がん剤をはじめ、院内と院外の情報共有を図ることの必要性が高まっていた。高尾さんは、自身が院内と門前の架け橋となることが、患者のためになると感じ、病院薬剤部と8店舗の門前薬局を対象に、Web講演会を活用した研究会を企画した。

 

ところが「参加する」との色よい返事はすぐには返ってこない。病院薬剤部のハードルの高さや、競合でもある門前薬局を一堂に集めることの難しさを痛感した。初夏の強い日差しの中で、高尾さんは、病院薬剤部の声や他店舗の出欠状況に加え、患者貢献につながる取り組みであることを一軒一軒伝えて回った。

 

こうして迎えた当日。当初の見込みを超える20人の薬剤師が会議に参加した。地道なMR活動が実を結んだ瞬間だった。その後、研究会は継続的に開催され、院内の化学療法室の見学会が開催されるなど、情報共有も進んでいるという。ゼロからスタートした取り組みは、他施設から成功事例として見学に来るまでの評判を得た。参加した薬剤師からも、「薬薬連携は薬剤師だけでは継続できない。熱心にやってくれたおかげで良いスタートを切れた」というほど好評だったという。

 

結果もついてきた。製品売上で上位に入り、社内表彰も受けた。高尾さんは、当時のことを「とにかく必死だった」と振り返る。当時社内では、知識を研鑽する目的で、選んだテーマについてMR自身が講師を務める勉強会も行われていた。高尾さんが選んだテーマは、冠動脈イメージング。自社製品以外の情報提供の切り口を見つけた高尾さん。いつしか、MR活動への迷いも消えていた。「結果的に良い薬が届くことが患者への貢献になるということに気づいた。それまで遠慮していたが、一生懸命やってもいいんだと思った」と振り返る。

 

 

座右の銘“正直、親切、笑顔”を実践

 

循環器領域営業本部 首都圏支店
神奈川第2営業所 営業所長
松田 清さん

こうしたMR活動は、高尾さんの高い傾聴力、そして相手のニーズを受け止める姿勢に支えられている。「正直、親切、笑顔」。高尾さんの座右の銘であるという、暮らしの手帳の前編集長である松浦弥太郎の言葉を実践するような所作が印象的だ。

 

同社の循環器領域営業本部首都圏支店神奈川第2営業所の松田清営業所長も、「誰に対しても温和でゆっくりわかりやすく話す。信頼関係を築きやすい」と語る。さらに、「仕事が丁寧で安心感がある。事前の準備がしっかりしている。言いたいことをまとめて話ができるスキルがある」と評価する。

 

現在は、神奈川県相模原市の北里大学などを担当し、PCSK9阻害薬・プラルエントの情報提供に注力する。「プラルエントを必要とする患者さんに届けること。そこにいかに最短距離で到達できるかということ」を目標に掲げる。

 

準備にも余念がない。医師ごとに研究論文をいち早く調べた。採用が難航した理由も丁寧にロジカルに検討した。こうした姿勢を松田所長も評価する。「基礎資料を作る時に丁寧。それを基に活動しているのでミスが少ない」と語る。ただ、必要な時には、「医師に要求することができるだけの人間関係、信頼関係を構築することも重要だ」と松田所長は語る。優秀な人材が集う大学病院だからこそ、さらなるステップアップを目指すこともできる。「準備がまだ足りない」と謙虚に語る高尾さん。自身の要求と相手のニーズとを合致させることができれば、さらにブランドの訴求も可能になるとの考えを示す。

 

最後に、高尾さんに今後の目標を聞いた。

 

「薬薬連携を通じて、自社製品だけでは狭い所にいることに気づいた。薬局もあれば、地域医療の取り組みもある。幅広い視野を持った活動も意識ひとつでできると気づいた。製薬メーカーなので、自分の製品を届けるのは大事だが、製薬会社に関連してくるような対外的な接点を持てるような仕事をしたい」――。

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