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米FDA 炭疽病予防ワクチンBioThraxを承認

公開日時 2015/12/02 03:50

米食品医薬品局(FDA)は11月23日、炭疽菌の暴露に高度なリスクを持つ者の炭疽病予防ワクチンBioThrax(沈降炭疽病ワクチン)について、18~65歳の炭疽菌の暴露が疑われる者もしくは暴露が確定した者の炭疽病予防ワクチンとしての適応追加を承認した。炭疽病に対して、その使用が推奨されている抗生物質との併用となっている。BioThraxは、1970年に炭疽菌の暴露に高度なリスクを持つ者に対する予防ワクチンとして承認されている。


炭疽病は炭疽菌を吸入することにより引き起こされ、適切な治療を施さないと致死的となる。炭疽菌は、安定性が高く、拡散しやすいので、バイオテロリズムの最も使われやすい細菌の1つとして考えられている。バイオテロはまれだが、炭疽菌に感染した動物や感染した畜産物との接触などで炭疽菌への自然暴露を通して炭疽病に罹患する可能性がある。


ヒトに対する臨床試験が倫理的に不可能な場合などに動物試験の有効性データを使用できる「アニマルルール」を活用して承認された初めてのワクチンとなった。


同剤は、米Emergent BioSolutions社(本社:メリーランド州ゲイサーズバーグ)の炭疽病ワクチン事業部門Emergent BioDefence Operations Lansing LLC社(本社:ミシガン州ランシング)が製造する。


Emergent BioSolutions社Bio Defence事業部門のAdam Havey執行副部門長兼部門長は、「我々のBioThrax強化プログラムは、国家のバイオセキュリティへの取り組みを支援するために米政府との提携が成功した証左である。何年にもわたって、我々は、筋肉内投与、ワクチン接種スケジュールの合理化、有効期限の延長などを実現、いまや、暴露後予防の適応を取得し、BioThraxの改善を図ってきた」と同社のBioThrax開発への取り組みを説明したうえで、「我々はこの実績を誇りに思い、この重要な薬剤を供給し続けることを楽しみにしている」と話した。



FDA生物製剤評価・研究センター(CBER)のKaren Midthunセンター長は、「本日のBioThraxの承認は、我々が、炭疽菌胞子暴露後の炭疽病を予防するために抗生物質とともに使えるワクチンを入手したことを意味する」と同剤の登場によってもたらされる患者へのメリットを強調した。
 

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