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サノフィ 前立腺がん治療薬ジェブタナ点滴静注を新発売

公開日時 2014/09/05 03:51

サノフィは9月4日、前治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺がん治療薬ジェブタナ点滴静注60mg(一般名:カバジタキセル アセトン付加物)を同日に新発売したと発表した。去勢抵抗性前立腺がんに対する標準療法としては、同社が販売するドセタキセル(製品名:タキソテール、ワンタキソテール)による化学療法が広く行われているが、ドセタキセル治療後に症状が進行した患者に対する治療法は限られている。この治療の選択肢となるのがジェブタナとなる。同社はジェブタナについて、「アンメットメディカルニーズに応える新しい治療選択肢」とコメントしている。

ジェブタナは細胞内の微小管に作用し、細胞増殖を阻害する抗がん剤。ドセタキセル治療後の前立腺がん患者に対して、ジェブタナは抗がん剤ミトキサントロンを対照薬に全生存期間の有意な延長が確認されている。ジェブタナの薬価は60mg 1.5mL 1瓶で59万3069円。副腎皮質ステロイドのプレドニゾロン(一般名)と併用する。

ジェブタナの効能・効果は「前立腺がん」だが、添付文書の使用上の注意に、「化学療法未治療の前立腺がんにおける有効性、安全性は確立していない」などと記載されている。このため同社は、前治療歴のある転移性去勢抵抗性前立腺がん患者に対する治療薬として情報提供活動する。

前立腺がんは中高年男性に多くみられ、2020年に日本の男性がんの罹患者数第1位、患者数は約10万人と予想されている。

前立腺がんは男性ホルモンの影響を受けて進行するため、転移が認められた前立腺がんでは多くの場合、男性ホルモンの分泌や働きを抑えるホルモン療法が標準的に施行される。しかし、しばしば病勢の進行が認められ、これを「去勢抵抗性前立腺がん」と呼称する。去勢抵抗性前立腺がんに対するドセタキセル治療後の治療選択肢は臨床上の課題となっており、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」でもジェブタナは「医療上の必要性の高い薬剤」と評価され、同省から開発要請されていた。ジェブタナは海外製品名JEVTANAとして、10年6月に米国で承認され、今年1月現在で85の国・地域で承認されている。

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