日本メドトロニック 国内初の便失禁専用植込み型デバイスを発売へ
公開日時 2014/03/07 03:51
日本メドトロニックは3月6日、国内初の便失禁治療専用植込み型デバイスを4月1日の保険収載後、発売すると発表した。加齢、直腸がん手術での直腸切除後、脊髄障害などを背景に便失禁の症状がでる。これまでは生活習慣の改善、肛門の筋力トレーニング、薬物療法による症状改善、専用タンポンを使っての便漏れ防止、大腸洗浄といった保存的治療法などで対応していたが、同デバイスの登場により治療選択肢が広がることになる。
同デバイスは、排泄をコントロールする仙骨神経近辺に留置するリードと、小型の植込み型神経刺激装置で構成される仙骨神経刺激療法(SNM)の便失禁治療専用システムで、「InterStim II 仙骨神経刺激システム」と呼称する。体外式の神経刺激装置で治療効果を確認してから、同装置を臀部に植込む。
藤田保健衛生大医学部消化器外科の前田耕太郎主任教授は、「SNMの登場で、これまでの治療法では効果の得られなかった患者さんにも便失禁の症状に合わせてよりきめ細やかな治療が行えるようになる。SNMは便失禁患者さんの新たな治療選択肢のひとつとして大いに期待される治療法」とコメントしている。
SNMの臨床試験に参加した医師の所属施設は、指扇病院(埼玉)、社会保険中央総合病院(東京)、山王病院(東京)、亀田総合病院(千葉)、関西医科大学附属滝井病院(大阪)――となる。