薬価収載日 同日発売ゼロ 業界に「収載日が読みにくかった」の声
公開日時 2011/09/13 04:01
9月12日の薬価収載は、同日の発売が1製品もない、珍しい事態となった。複数の業界関係者は「今回は収載日が読みづらかったことが影響したのではないか」と指摘している。
収載日は通常、複数の社が即発売または発売日を発表する。しかし、今回12日は、成人T細胞性リンパ腫治療薬ゾリンザカプセルの発売は14日とする大鵬薬品の発表のみ。あと、偶然同日となったアストラゼネカと第一三共によるPPIネキシウムカプセルの記者説明会で、15日の同剤の発売が明らかにされただけだ。
収載日に新薬発売がなかった理由に収載日の読みづらさを挙げる声があるが、その背景として指摘されているのが、厚労省の方針を読みにくさ。厚労省は薬食審のルールを変更し、4月以降の新薬承認を1カ月早めたが、一方で、その後4月には東日本大震災への対応として薬価収載を1カ月程度遅らす方針を示した。今回の収載も「9月または10月(の予定)」と幅をもたせた方針で、「早くしたり、遅くしたりで、収載はいつなのか読みにくかった」(業界関係者)という。
前回収載同様に承認から収載まで約90日(4月承認、7月収載)なら10月収載の可能性もあったが、今回は通常の約60日収載の9月となり、「意外に早かった」という声も漏れる。
12日は14成分18品目が収載された。同日段階で分かった発売(予定)日は次のとおり。
9月14日
▽ゾリンザカプセル100mg(ボリノスタット、販売は大鵬薬品、製造販売はMSD):効能効果「皮膚T細胞性リンパ腫」。薬価:100mg1カプセル5462.80円
9月15日
▽ネキシウムカプセル10mg、同20mg(エソメプラゾールマグネシウム水和物、アストラゼネカ、第一三共):「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流性食道症、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制、ヘリコバクター・ピロリ除菌の補助」。薬価:10mg1カプセル96.70円、20mgカプセル168.90円(1日薬価168.90円)
9月20日予定
▽オンブレス吸入用カプセル150μg(インダカテロールマレイン酸塩、ノバルティスファーマ):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解」。薬価:150μg1カプセル139.60円(1日薬価139.60円)
9月22日予定
▽キュビシン静注用350mg(ダプトマイシン、MSD):「ダプトマイシンに感性のMRSAによる敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、びらん・潰瘍の二次感染」
薬価:350mg1瓶1万3154円(1日薬価1万3154円)
収載品目は既報
http://mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/41335/Default.aspx