武田薬品 アクトス後発品の製造販売差止め求め提訴
公開日時 2011/06/16 04:02
武田薬品は6月15日、2型糖尿病治療薬アクトス(一般名:ピオグリタゾン塩酸塩)の後発品の販売を表明している製薬企業18社に対し、アクトス後発品の製造販売の差し止めなどを求める訴訟と仮処分命令申し立てを、東京及び大阪地方裁判所に対して13日付で行ったと発表した。
日本でのアクトスの物質特許は今年1月に満了しているが、武田薬品は、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド系薬剤、グリメピリドといった経口血糖降下薬との併用に関して医薬特許が有効なため、アクトス後発品は特許侵害にあたると主張している。ただ、今年3月に特許庁は、ビグアナイド系薬剤との併用のみ特許無効と審決(現在、審決一部取り消しを求めて知財高裁に控訴中)するなどし、今後の動向が注目されていた。
これまでに武田薬品は、アクトス後発品の製造承認を取得した企業27社と事前協議し、直ちに発売しないなど一定条件の和解に応じた企業は9社。残り18社は和解に応じなかったため、武田薬品は提訴することにした。武田薬品の奥村洋一・知的財産部長は、「取得した有効な特許を侵害する行為に対しては法的措置を含め、適切な手段を講じていく」とコメントしている。